ミステリーで戦闘なTVアニメ動画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のミステリーで戦闘な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月10日の時点で一番のミステリーで戦闘なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.0 1 ミステリーで戦闘なアニメランキング1位
GOSICK[ゴシック](TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2844)
14804人が棚に入れました
聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女―ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を―。その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら。「混沌の欠片を再構成しよう」そして、たちどころにそのどんな謎をも暴く…いや、〈言語化〉してしまうのだ…という。西欧の小国・ソヴュールに留学した少年・久城一弥。彼はふとしたことから知り合った少女・ヴィクトリカとともに、郊外に住む占い師殺人の謎に挑む。しかし、それはある大きな謎の欠片でしかなかった。囚われの姫と、彼女を護る死に神が、幽霊の現われる呪われた船の謎に挑む。白と黒の物語の幕が今、開きます。

声優・キャラクター
悠木碧、江口拓也、下屋則子、木内秀信、鹿野優以、沢城みゆき、大川透、根谷美智子
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

探偵とパイプ

煙草が好きなので、独りでアニメを視聴するときは喫いながら観ていることが多いのだが、本作を見るときは、つい紙巻ではなくパイプの方に手が伸びる。
で、気が付くと画面のヒロインと同じタイミングで吸い口を咥えていたりして、ちょっと赤面する思いをする(ああ恥ずかしい)
ハイヒール型のパイプ置きを買ってしまったことは内緒だ(笑)

本作の初放映の頃に発行されたパイプの本に、「美少女がパイプを喫うアニメが放送されている」というコラムが載っていたのだが、間違いなく本作のことだろう。
専門家の見立てによると、ヴィクトリカのパイプはオランダ製らしい。

ホームズ以来の伝統を意識したパイプなのだろうが、架空の世界の架空の時代を舞台としたフィクションで、絵で描かれた架空の少女が、パイプを咥えるだけで喫煙することは描写できないというのは理由がよくわからない。
怪事件の混沌や、幻想と論理の危うい境目を表象するものとして、たゆたう煙はミステリの演出に大いに有効に思えるのだが。

背景に幾重にも重ねられた物語が、ミステリを通じて描かれる運命的に出会う少年と少女の結びつきの陰に伏流して、一本筋の通った印象を支える。
ミステリとして、隙なく丁寧に描写されているものの、謎の強度や論理展開はさほど鋭いものではなく、ともすれば「わたしの少年」と「ぼくの少女」の、かけがえのない運命の結びつきには無関係にすら見えかねない。

しかし最後まで視聴すると、それでもミステリ(という形式)で物語を語ることが、本作にはどうしても必要であったのだと思える。


(史実に近いが一応は架空の)第一次世界大戦と、(ほとんど架空の)第二次世界大戦の狭間の時代に置かれる物語は、子供と青年の間に挟まれた学生時代と二重化され、世界=社会から隔離された学園が、実在の大国に挟まれて設定された架空の小国と重なり合う。

{netabare}少年と少女の物語に強く結びついて設定された背景は、その「背景」が生み出す「嵐」が「わたしの少年」と「ぼくの少女」の純粋で幸福な結びつきを脅かすことを、自然な流れとして視聴者に納得させる。

「嵐」は、具体的には「世界大戦」を示すと作中では言及されているが、内包されているものは、単に国益の激突という要素だけではない。
そこに込められているものは、「世界」を覆い、駆動する価値観や思想の支配権のゆくえだ。

架空の世界大戦に賭けられているものは、旧大陸=ヨーロッパが代表する「もの」と、新大陸的な価値だ。

作中の「旧大陸」が代表するものは、伝統=時間=歴史性であり、「蓄積された」富であり、精神的なものであり、「オカルト」に代表される非合理をも包括する多層的な価値観、などなど。

一言で集約すれば、実利とは無関係に屹立する「うつくしいもの」だろう。
本作の美術や作画が、全力でそれを表現している。

一方の「新大陸」が現すものは、作中の明示はないものの、アメリカ的な価値観であることは、現実の世界大戦後を生きる現実の視聴者には明らかだろう。

たとえて言えば、プラグマティズム=「実利」のみの論理であり、「現在の」富であり、フラットな平明性であり、一言でいえば「物質的なるもの」の具体性だ。

昨日までの「世界」を一変させるような、この強大な「嵐」の前に、少年と少女の思いは、なんら具体的な「力」を持ちえないように見える。
仮に戦闘を避けることはでき得るにしても、「世界」を塗りつぶす「嵐」の「力」の前に、まっすぐな眼をした「わたしの騎士」の情熱は、可憐な「ぼくのお姫さま」を護り切れるだろうか。

本作が「ミステリ」である意味が、ここにある。

ラストで、互いを互いの腕の中に取り戻す少女と少年は、「ホームズ」と「ワトソン」だ。

その「世界」の論理性=世界そのものを崩壊させかねない「謎」を解き明かす「探偵」こそが、ミステリ「世界」を守護し、まとめあげる特権者だろう。

ミステリ世界の、その「世界」の存在を双肩で支えるものとして、「探偵」は在る。
探偵のいない、「謎」が明かされることのない世界は、「ミステリ」としては存在しえない。

本作がミステリとして語られる物語であることが、「探偵」の存在を絶対的に要請する。

「世界」を揺るがす「嵐」は、その「世界」が絶対的に要請する「探偵」に対抗することができない。
「探偵」であることこそが、「嵐」の暴威と拮抗し、押し戻す少年と少女の「力」の源泉だ。
だからこそ、少女の母は告げるのだ。生き延びるために「謎を解け」=「探偵」であれ、と。

ラストの再会は、ご都合主義の「ファンタジー」ではなく、探偵が膝下に「世界」をねじ伏せる「ミステリ」が生み出している。


別の方向から観ても、「ミステリ」の必然は揺るがないように思える。

本作の背後には、ある王国の裏面史が通底音として流れていることは上述した。

裏面史のエポックである各々の「事件」が「怪」事件として現れてくるのは、王国の裏面史が「近代化」への道程であることを示している。
十分に「近代化」される途上にあることが、「事件」が「怪事件」として現れる必然であり、終幕で、オカルトに対して科学=物質性が最終攻撃をかける展開へとつながる。

ラストで、礼服を脱ぎ去りビジネスマンのような「平服」姿になった国王が描写されているように、第二次世界大戦後に生きる視聴者は、その果てに来るものが、平明で世俗的な物質万能の即物性の世界であることを知っている。

そうした即物性の世界では、具体的な「力」を持たない、かけがえのない「ぼくの少女」を護る「わたしの騎士」は居場所はないだろう。
それどころか、そうした小説やアニメなどの「物語」自体が、「絵空事」だと嘲笑されて見向きもされないかもしれない。
実際に、主人公の少年の子供時代には、そうした「物語」は、「柔らかい」女子供の愛玩物として、一人前の男児が読むものではないとされていた。

そうした即物的現実への対抗として誕生したのが、ミステリとSFだった。

「どうせ現実ではないのだろう」という嘲笑を粉砕するために、現実の即物性を支配する「論理」を「物語」の土台に据えた創作物がミステリだ。
お前の崇拝する現実と同じ「論理」でできた「物語」を嘲笑できるならしてみろ、と逆に嘲笑し返すものとして「ミステリ」はある。(SFについては他作品のレビューに書いた)

互いにかけがえのない少年と少女の絆、「うつくしいもの」を絶対に手放さない物語を嘲笑させないために、本作は「ミステリ」であるのだろう。

だからこそ、「探偵」の少女の設定に、捻じれが生まれる。

旧大陸の古い伝統を継承する少女が発揮する「超常力」が、即物性を支える「論理」の力であるのは、そもそも物語的ロマンと「現実」の関係が捻じれているミステリの定義自体が、呼び込んでいる。


技術的な面でも、本作の「ミステリ」効果は高い。

安彦良和に代表される前世代のアニメーターたちは、しばしば、アニメーターは役者である、といった発言を繰り返している。
アニメーターの描く「動き」がキャラの「演技」になるわけで、演出の指示に応えて「動き」をつけることは、芝居をしているのと同義なのだろう。

確かに、それらアニメーターの実作では、セリフとは異なる表情を作る、とか、動作の予備動作を変えるなどの「芝居」で、感情を表現していた。
が、昨今のアニメでは、こうした「芝居」は後退して、セリフと動作は常に一致していたり、セリフは常に心情と一致しているといった、ある意味で平板な芝居が主流を占めている。

しかし、「ミステリ」であれば、そうした平面的な描写の繰り返しではいられない。
「謎」を表現し、「解決」でそれを明示するためには、言葉にされない動きや、言葉と矛盾する表情は必ず必要になる。

そうした描写が、ミステリ外の物語にも波及して、表現に陰影をつけている。
特に、少女の兄の警部が単なる狂言回しで終わらなかったのは、この効果だろう。

現実のヨーロッパというモデルがあるとはいえ、架空の国を、風土や産業や文化、服飾に至るまで、見事に統一感をもって設計、表現した作画が、それを支えていた。
文化的なコード性を無視した建築物や服飾を混ぜ込んでしまう異世界物の製作者は、これを見習ってもいいのではないだろうか。


再会を果たした少年と少女の背後で、世界大戦は新世界の物質的即物性が勝利を収めた。

「世界」は、旧世界から新世界へと支配者を変えたことを、視聴者も知っている。

そうした、すべてを白日の下に晒すフラット性の支配の前に、旧世界の旧い「生き物」たちが書物の中へ、「物語」の中へと消え去ってゆく描写は象徴的に感じられた。

物語の中に「生きる」というよりも、「消えてゆく」印象が強いのは、さらにラストの、少年と少女が画面の奥へと去って行く描写の印象に引きずられているせいだ。

互いを見出し、決して離れないと誓う彼らは、成長して新世界へと旅立つというよりも、するべきことを成し遂げ、世界から引退したように見える。
互いを手に入れることこそが自らの「成長」であり、「世界」には何の関係もないと。

論理を武器に現実を覆す「ミステリ」の必然が、このラストを導き出したようだ。

「推理」をする/語るとき=「探偵」であるとき、少女の手には常にパイプがあった。
「探偵」役を放棄し、「わたしの少年」以外のすべてを捨て去った少女が、パイプをも捨て去っているのが象徴的に感じる。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 7

keylove さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

最終話、二度観してしまいました。神ED、最後まで観て欲しい作品

先に追記です♪
この最終話はなぜかもう一度観たくなりまして。
いや、なぜかということではなくて、この最後は好き!
ってことで、観ちゃったんですね。
案外、こういう最後を予想する人はいないと思いますね。
具体的に書いちゃうと面白くもなんともないし、そもそもネタばれになっちゃうから書きませんけど、このストーリーにして、この最後を観た気持ち。
あのシーンをもう一度観たいって名作はたくさんあるけど、これもそれの一つに挙げていいんじゃない?って個人的には思いますね。
ジャケットデザインとはまた違う良さというのが観れると思います。
当たり前ですけど、最初から観ないと意味はありませんけどね。
記憶に留めておきたいので、追記しておきました。
観てほしいのもありますよー。
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物語は1924年のヨーロッパのソヴュール王国という架空の国が舞台。
主人公は小さな女の子。
といっても、一応は14歳の学生で、頭脳は天才的。
貴族の子供たちの通う学園の図書館の最上階にいつもいて、本を漁るように読んでいるか、退屈で死にそうになっているか。
見た目は本当に幼い子供。
背も小さくて顔は幼い。
髪は背の丈ほどもあるきれいなストレートの金髪。
名前はヴィクトリカ・ド・ブロワ。

このお話に欠かせないのがもう一人の主人公、
久城 一弥
日本からの留学生で、友達は少なく(これには訳があって第一話において、黒髪の悪魔という怪談になぞらえられることから)
たまたま知り合ったヴィクトリカといつも一緒にいることになる。
一弥はよく事件に遭遇するのだが、それを解いていくのがヴィクトリカ。

アニメの紹介や表紙の雰囲気とはまた違う、ツンデレで可愛い主人公の姿を見れるのでとても良いです。
もっとおどろおどろしいというか、サスペンスに溢れたものだと思っていたのだけれど(もちろんそれもメイン的にあるのはあるんですけど)そういう要素だけではなくて、この主人公たちの心の繋がりというものが描かれていたり、さりげないしぐさでの可愛らしさがあったりして、そういう見方をするとまた違う魅力があって、ストーリーにも馴染んでいける気がします。
主人公は好青年で、ヒロインはツンデレ。
よくあるパターンではありますけど、作画が良くてキャラデザも良いので、それだけでも観る価値はあるかと思います。

音楽もエンディングなんか特に良いですね。
イントロがとてもミステリアスで雰囲気が出てる曲です。

ここから追記です。

視聴終わりました。

途中は久城 一弥のダメダメぶりに腹が立ちさえしますね。
お前はいつもなんでそれに気付かないんだよ!的な。

それでも二人は成長していきます。
年齢のとこではなくて、精神的に。
そして強くなる、自分も、お互いの絆も。

本当のほんとのラストまで展開が読めませんでした。
名探偵コナンを思い出してみるとわかりますが、ああいう感じで、それぞれの謎や事件は解決していくんです。
それはまさに頭脳明晰なヴィクトリアのおかげ。

先に声優さんたちのことを書いておきます。

主人公
ヴィクトリア(悠木 碧さん)
まどマギが圧倒的に有名でしょうけど、俺のラブコメなど、多数で活躍されていますね。
ヴィクトリカの何が良かったって、この人の泣きかたが最高でした。
あれほど派手に泣くなんて、ツンデレ、ぷにぷにほっぺからは想像がつかないといってもいいほど。

久城 一弥( 江口拓也さん)
東のエデン、俺のラブコメ、俺物語など大活躍ですよね。

声優さんはこれぐらいにしておいて。

最後に感想ですけど、気持ち良く観ることができました。

時代の背景に流されていくあたりからは、もう目が離せません。
この章じたいはものすごく短いんです。
だから、最後まで観ないとそれが観れないので、つまりは一番肝心なところが観えなくなります。

※追記です
エンディングテーマ
「Resuscitated Hope」(第1話 - 第12話)
は本当に素晴らしいです!
この物語の壮大さを表現している名曲ですね。

「unity」(第13話 - 第24話)
作詞 - 渡部紫緒 / 作曲 - Asu(The New Classics) / 編曲 - 長谷川智樹 / 歌 - コミネリサ
は、この二人のことを歌っている名曲です。


ただの推理物だと思って観ないでほしいです。
これは壮大な恋愛劇だと思ってもいいですね。

もっと奥が深い流れがありますから。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 34

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

萌えミステリーアニメだとミスリードされるが。。解説します。

ゴスロリ少女に萌えるだけのミステリーアニメとして
認知されてしまうのが非常に残念です。。
確かに、物語にゴシックホラー的要素は少なく
ヒロインがゴスロリ服を着ているくらいしかゴシック要素ありません
しかし、設定倒れのアニメではなく深いストーリーと見所もあります。

ストーリーは少女が事件を解決するミステリー回が多いものの
描こうとしている本筋は全く別であって
少女の解決するミステリーは本筋の伏線でしかありません。
つまりミステリーはこの作品のスパイスに過ぎません
ゴスロリ金髪美少女に萌えるだけでも視聴する価値は充分ですが
それだけでは勿体無いなので考察を書かせてください。


・設定
第一次世界大戦後、ヨーロッパの架空の小国が舞台
錬金術などのオカルトが未だに存在しています。
半現実半ファンタージーといった世界ですね

ヒロインは灰色狼という異能の力を持つ存在と
人間の間で無理やり作られた少女
長い間地下幽閉されていて、誰からも愛されず
誰を愛すこともなく成長してきました。
世の中のことも知識としてしか知らず、経験はしていません


・主人公
日本のエリート軍人の家系に生まれましたが
不出来な自分にコンプレックスがあり
小国に逃げるように留学してきます。
珍しい東洋人の黒髪が不吉とされ浮いてしまったことで
担任からクラスに溶け込むために怪談を読むように勧められます
怪談がブームらしいです。。
オカルト信仰が未だにあるようですね


・ストーリー
図書館で出会う主人公とヒロイン
ここから物語の始まりです。
出会いのシーンの描写は美しいです
ヒロインは図書館で本を読むこと以外することがなく
基本退屈しています。。ゴロゴロしてます(萌)
灰色狼の血は頭脳明晰であるため高校にある書物では
飽きてしまうのでしょう
あるきっかけで怪事件を推理することになったヒロイン
事件の推理が暇つぶしとなってしまい
事件を探してくるようにと主人公を使いに出す毎日が始まります


・物語の核心
ネタバレは回避しますが
ヒロインに最初の事件推理を持ち込んだ人物の血縁者には
ドス黒い野望があります。
彼は灰色狼の子を軍事利用しようと目論む黒幕です
オカルト信奉者の大悪党ですね
どうやって子供を作るかは。。お察しください。


・ミステリー
ストーリーの中心は少女の推理回です
1話で解けてしまうような難度の事件です
面白いのはオカルト事件を科学的視点で解決するという所です
このセンスは非常に楽しいですね。
自分がオカルト側の存在であるヒロインが科学で事件を解決する
これは自身の因縁への反抗と捉えることもできます。
状況証拠を聞いて、まぁそうなるよね。。って推理をしますが
ヒロインのドヤ顔と中二台詞もかわいいですよ(萌)


・ラブコメ
ヒロインは天才ですが、非常に幼稚でわがまま
ツンデレタイプです。それに振り回される主人公
しかし、2人の関係は互いに欠けていた心のピースの埋め合わせに
なっていきます。
ヒロインは他者への信頼と愛情
主人公は他者を守れるという自身と覚悟
じれったく幼い恋愛は見ていてほっこりします
ラストは泣いてしまうかも。

・作品テーマ
ストーリーのラストの内容まで書きませんが
ヒロインは科学という実証できるものしか信じていませんでした。
ですからオカルトにも否定的、もちろん自分の境遇を省みれば
オカルト肯定派になるわけもないのですが。。
しかし、『愛』という実証できないモノを信じるようになります。

物事の判断基準や行動指針は、論理的に実証できるかかが
全てではなく『愛』を含めた感情で判断、行動することも
大切であるというのが作品テーマではないでしょうか


・さいごに
推理物を多く読まれる方には陳腐なミステリーに思われるであろう
内容ですし、オカルトを題材にしながら雰囲気も明るい
しかし、作品テーマを捉えてみると見応えのあるアニメではないでしょうか
萌えアニメとしても特級品です(笑)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 24

72.8 2 ミステリーで戦闘なアニメランキング2位
UN-GO(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1146)
6627人が棚に入れました
“終戦”を迎えたばかりの未来の東京。そこでは、探偵業が流行らなくなった代わりに、メディア王・海勝麟六が膨大な情報量と優れた頭脳を生かして、幾多の難事件を解決していた。しかし、実は麟六の推理には裏があり、それをあぶり出すのが、「最後の名探偵」を自称する結城新十郎と、その相棒・因果。世間からは、「敗戦探偵」と言われているが、それでも2人は力を合わせて、様々な難事件の解決に挑むのだった。

声優・キャラクター
勝地涼、豊崎愛生、山本希望、本田貴子、入野自由、三木眞一郎

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

劇場版ありきの本編ですね(^_^;)

■「UN-GO」ってどんなアニメなの(゚∇゚ ;)!?
坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帳」という探偵物のストーリーを近未来的にアレンジしたオリジナルストーリーなのですね♪
タイトルに「UN-GO」って付けている事からも、坂口安吾の作品を題材したのがこの作品の最大の売りなのでしょうね( `ー´)ノ
ところで「坂口安吾」を知っている人はどれだけいるのでしょうか?
この作品を知るにはまず「坂口安吾」を知るべきではないかと思うのです♪
ということでちょっとだけ勉強してみましょうね♪
 
【坂口安吾】
昭和初期に活躍した小説家の一人で小説界の異端児的な一人なのです♪
既成文学に異を唱え、戯作復古を思想とした無頼派と呼ばれた小説家の第一人者。
まぁ簡単に言っちゃえば、お堅い文学が評価される世の中に、江戸時代に流行った「洒落本(エロ本)、滑稽本(漫画)、談義本(ラノベ)、人情本(恋愛小説)、読本(小説)、草双紙(絵本)」といった誰もが楽しめるお気楽な書物がもっと評価されてもいいでしょって言い張った個性的な人なのです♪
無頼派で有名な小説家と言えばあの人間失格や走れメロスで有名な「太宰治」もそうなのですよ♪
 
※注意※
()の中は現代風に解り易くする為にσ(^_^)アタシ的ニュアンスで適当に当てはめてみただけなので、本来の意味とはちょっと違うのであしからずなのです(o*。_。)oペコッ
 
そんな「坂口安吾」の作品はもう著作権が切れているので無料でネットで読むことが出来るのです。
もし興味のある方は、下記のURLにてご覧になってみてくださいね♪
きっと本作品の作風と坂口安吾の魂の叫びが読み取れると思いますよ(゚ロ゚;)エェッ!?
・明治開化 安吾捕物帳
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43204.html
・堕落論
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42620_21407.html
 
 
■「UN-GO」と出逢った日の日記m( ̄○ ̄)mアーン♪ε=ε=ヘ(;゚∇゚)ノ ゴーゴー♪
本作品のホームページには「本格探偵ストーリー」とハッキリ書いちゃってましたけど、正直原作自体が「本格」推理小説って言うわけではないので、自分で首絞めちゃってますねってちょっとだけ思っちゃいました・・・( ´△`)アァ-
原作と同様のパターンを用いているならば、名探偵の「結城 新十郎」と「海勝 麟六」と「虎山 泉」の掛け合いがこの作品の面白さになっていくのかなって思っているのですけど・・・
1話を見た印象では、推理じたいは捻りがなくって簡単に犯人が解るようなものでした。
近未来的にアレンジしたのが・・・一秒で着れちゃう洋風ドレスw
しかも推理に関わっているなんてね・・・(。・w・。 ) ププッ
まぁそれは良いとしても、人一人死んでるのに緊迫感がなさ過ぎなんですよぉシーー( ̄、 ̄*)ーーン
しかも騒いでいるのが奥さんだけなんですもん・・・(A゚∇゚)ハテッ?ナゼナノ?
推理ものとして楽しく見ていくにはちょっと辛い内容かもしれませね!
それにGOSICKの様な恋愛や家族愛に発展していくようには思えないので、どこに面白さを求めればよいのか1話だけではちょっと見えなかったのです。。。o(゚^ ゚)ウーン
 
ただ、結城 新十郎と海勝 麟六との関係がどうなっていくのか、そこに不思議な「因果」という探偵助手がどこまでストーリーを盛り上げてくれるのか、麟六の娘である梨江がどこまで物語をかき回してくれるのか、そんなところに注目しながら少し様子を見てみようと思っています♪
 
 
■個人的に注目していたキャストφ(^∇^ )
因果(声:豊崎愛生)
 あきちゃんはやっぱり「けいおん!」の唯ってイメージが強いのですけど、かなり器用な声優さんです
 ね♪
 本作品でも彼女の声優としての幅の広さを感じることが出来ましたよ(*^^)

風守(声:松本まりか)
 松本まりかさんは最初全然わからなかったのですけど、女優からナレーターまで幅広く活躍していた
 人なんですね♪それとFF X でリュック役の人でもあったのです!
 FFシリーズで唯一プレイした事のあったのが「X、X-2」だったので懐かしいです♪
 
海勝 梨江(声:山本希望)
 のぞふぃすの事を知るきっかけは「僕は友達が少ない」で幸村役の声を担当していたからでした♪
 幸村役では声のトーンを落とした役で、セリフも少なかったのですけど、梨江役ではとっても頑張って
 ましたね!
 まだアドリブ等はなさそうな感じでしたけど、面白い子は嫌いではないので今後も応援したいです
 (*^_^*)(かなり天然っ子みたいなのでw)

 
■総評
結城新十郎と海勝麟六のそれぞれの因果の軌跡を描いた本作品は、決して交わることのない新十郎と麟六の理念を数々の事件を題材に表現してきた作品だと思うのです!
それは坂口安吾の原作「明治開化 安吾捕物帳」の世界観をトレースして、舞台背景を現代風にアレンジするという挑戦は風守というキャラと今話題になっているクラウドコンピューティングなどの言葉が出きたりして観ているうちに馴染んでいく感じでしたね♪

ストーリーの方も前半はなかなか波に乗れない感じでしたけど、中盤から後半にかけては面白かったですね♪
「UN-GO」にはTV放送と並行して劇場版「episode:0」が上映されるというノイタミナの営利主義的戦略に翻弄された感じがしました!
その問題の劇場版なのですけど、ズバリ見ないとダメですねwつД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
TV版だけですと、別天王と因果などがただの不思議なキャラで終わってしまうのです♪
最終話に新十郎が麟六の娘の梨江に、因果との関係を話し始めた所で終わってしまうのですけど、その話こそが劇場版で描かれたとっても大事なエピソードなのですΣ(^∇^;)えぇ~
「UN-GO」の楽しみ方がイマイチわかりづらいなぁって思う方は劇場版から観ると本編もかなり楽しく見れるんじゃないでしょうか?
逆に、記憶力が良い方であれば、本編を見終わったあとに劇場版を観るとなるほどそういう事だったのかぁっていう気分を味わえると思いますよ♪

この「UN-GO」って作品をどんな視点から視聴するかによって大きく評価がわかれそうなきがしますね!
σ(・・*)アタシは劇場版も観ていたので、結城新十郎の『死生観』からの正義と、海勝麟六の『合理主義』からの正義の掛け合いがとっても面白かったなぁって感じました♪
萌えや笑いなどは一切ないのですけど、登場人物の生き様を描いた作品をたまに観るのも良いもんですねo(*^▽^*)o~♪


■MUSIC♫
OP曲『How to go』
 【編曲】江口亮【作詞・作曲・歌】School Food Punishment
 キタ━(゚∀゚)━!わたしの大好きなスクパニの7thシングルナンバー♪
 「東のエデン」で出逢い、Album「amp-reflection」で虜になりました(*^^)v
 変拍子・転調など、技巧的で複雑な曲構成が特徴的で、その中でシンセサイザーなどの電子音楽が
 メロディーを引っ張っていて疾走感と心地よさを引き出しているんですよね♪
 そんなところからもプログレやエレクトロニカの要素が強いバンドって言われているんですよ(^▽^)/
 また、前に出すぎない控えめで柔らかいボーカルが音楽に調和していて楽器の一つという役割を
 担っていたりとポストロックっぽさも感じられて、今の時代にあった中性的で柔軟な世界観をもった
 バンドって言えるんじゃないのかな(^ー^* )フフ♪
 アレンジャーの江口亮さんは「いきものがたり」の曲作りに携わっていて、センスの良さが光ります
 ( ̄ー☆キラリーン
 聴けば聴くほど良さがわかってくるスクパニの曲は今後も長いお付き合いになりそうです♫

ED曲『Fantasy』
 【作詞・作曲・歌】LAMA
 元SUPERCARと元NUMBER GIRLのメンバーが作ったバンドの2ndシングルですね♪
 ファーストシングルは「NO.6」のOP曲でしたね!
 スクパニと同じくエレクトロニカの流れを汲んだバンドなのですけど、UN-GOの世界観らしく近代的な
 電子音とレトロなピアノの音色を融合した優雅な曲調がアンダーグラウンドな雰囲気で前作よりも
 オルタナティブ・ロックっぽいですね♪

2011.10.16・第一の手記
2011.12.30・第二の手記(追記:■個人的に注目していたキャスト、■総評)
2012.01.11・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 72
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

これは、「ミステリーとは何か」を考えるアニメです

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総評】
基本は、1話完結のオムニバス形式のミステリーアニメ。ミステリーの質はそこまで高くはないが、そこに込められたメッセージや問題提起は深い。坂口安吾の諸作をごちゃまぜにしたようなものを原作にしているため、かなり尖った思想も散りばめられ、そこで賛否が分かれるかもしれない(安吾を知らなくても全く問題ない)。

いずれにせよ、「一風変わったアニメ」であり、テンプレ作品に飽き飽きしている方は、視聴するのも良いかもしれない。わりと、「記憶に残るアニメ」だった。

坂口安吾は、「堕落論」しか読んだことがないニワカなんで、彼の文学性については詳しく言及できない。というか、ウチのゼミの教授の受け売りで、「安吾の堕落論は素晴らしいが、文学的には見るべき点は少ない。彼は小説家というより、思想家だ」という持論を真に受けてここまできたので。でも、このアニメの原作である「明治開化 安吾捕物帳」や代表作である「白痴」にも興味が出てきました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話目を観た時、「これは駄作かな?」と思った(が、駄作ではなかった)。

推理は穴だらけというか、力業で解決してる。しかも、「因果」と「風守」というチートを2つも使ってるし。純粋なミステリーとしてみれば、明らかに二流。

もっとも、「サイコメトラーEIJI」や「僕だけがいない街」のように、「主人公が特殊な能力をもっている」系のミステリー作品は、謎解きそのもの(や、犯罪トリック)より、事件が起きる背景だったり、人間ドラマの方に重きがある場合が多く、本作もその系統だと思う。

1話目を観たときは、オムニバス形式の推理小説のような作品をイメージしていたため、「駄作」と感じたが、視聴を続けるうちに、これが、安吾の「思想」や「思考」を伝えるストーリー作品なんだと感じ、なかなかの「問題作」だと思った(良くも悪くも)。

本作で面白いのは、「結城新十郎」と「海勝鱗六」という、二人の探偵の思想、価値観の違いだ。

それは例えば「金田一少年の事件簿」における、「金田一」と「明智警部」のような、性格や捜査方法の違いでもなく、「名探偵コナン」における、「江戸川コナン」と「服部平次」のような、ライバルや仲間といった関係でもない。

「結城新十郎」は、「真実そのもの」「真実を解き明かす行為」に価値を見出だしている。だから、それが如何なる真実であろうと、謎を「解き明かさずにはいられない」。

一方、「海勝鱗六」は、「真実が明かされた後に起きる事象」に価値があると考え、それが(誰にとってかはともかくとして)不利益が大きいようなら、真実をねじ曲げることも厭わない。

この辺の対比は面白く、様々なことを考えさせられた。レビュータイトル「ミステリーとは何かを考えさられるアニメ」とはそういうことだ。「果たして、真実は解き明かされるべきなのだろうか?」という問題提起は、ミステリーアニメとしてはコペルニクス的転回だった。

中盤以降は「別天王」との対決にメインが移る。この「別天王」は、はじめは「神」のような存在として描かれ、「因果」もビビりまくっていた。しかし、最後に、別天王は神ではなく、たんなる「言霊」だとバレた(正体が明らかになった)後は、「因果」によって喰われて消滅する。その際、新十郎から「以前の戦争で、上層部の命令で、自ら命を投げ出して戦った若者がいた。そのように、言葉が力をもつこともある(言霊)」という主旨の説明があり、「別天王」という名前と併せ、完全に、戦時下における「天皇」(や勅命、特攻など)を意識している。

「因果」とは、「原因と結果」「運命」であり、「別天王(天皇)」が喰われていく様や、その後に日本が辿る道も、「自業自得」であるという、痛烈なメッセージが込められているように思う。

このように、右とか左とか騒ぐ人が出てきそうな主張を繰り広げるアニメは、個人的には好かない。しかし、それは安吾が「堕落論」で述べた主張に近いものがあり、ラストシーンでも「堕落論」の内容が使われていたことからも、この作品の(坂口安吾の様々な作品を原作とする)性格上、避けては通れないことなのかもしれない。

この辺が、評価の分かれ目になると思う。

「真実は解き明かされるべきか」「戦時における天皇の言葉の是非」「テロが蔓延した世界」「未来のエネルギー問題」など、この作品は、提起した問題に対しての明確な答えは述べていない。それは視聴者に考えろということか。

いずれにせよ、分かったことがひとつだけある。

それは、「風守は可愛い」ということだ(ん?)。

自分でロボっぽい擬音語を出し「あっ、これはサービスです」とか言うあたり、もぅ、メッチャ可愛いよね~♪

(え? 今までの真面目な文体は、これを書きたいがための長い前フリですか? ハイ、そうですw)


《総括》
×ミステリーとしてはパワープレイ
◎探偵二人のスタンスの違い
△右とか左とか言い出す人がいそう
◎風守が可愛い♪
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
なんかこう、芸術的な雰囲気だけ残したね。テンポ早すぎないかい?

2話目
謎解き云々というより、因果を含めた、メインキャスト達の人間ドラマが気になってきた。

3話目
八つ墓村?

4話目
なんか、テーマ性が強くなってきた。享楽ってことだね。

5話目
アムロが(演説とは言え)戦争を賛美してる(汗)

6話目
お~、この回は面白いよ! 二人の真実に対する違いだね。

7話目
白痴なんて言葉、今じゃ使えないよね。戦争についての3人の考えの違い。興味深いし事実だと思う。

8話目
攻殻機動隊?
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 37
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

UN-GOってのが秀逸すぎてレビュータイトル思いつかないんですが 【76点】

ある“敗戦”の後、最後の名探偵・結城新十郎は相棒・因果とともに、メディア王海勝麟六が流す美しい嘘の背後にある真実を探し続ける。
戦後混乱期を代表する無頼派の作家・坂口安吾の探偵小説を原案とする、近未来ドラマ。

多少の事前知識と劇場版の視聴が無いと、物語をすべて見通すのはちょっと難しいかもしれなくて、微妙にハードルが高かったり。
とはいえ、ノイタミナらしい挑戦的な作風で、たぶん安吾のエッセンスにも忠実な秀作です。


■薦めてみる(勝手に事前知識)
私も、他のレビュワーさんが書かれた評価を読んでいないと全うに楽しめなかったかも、と思うので、UN-GOに興味がある方へ向けてほんの少し事前知識を。

①テーマはミステリーではなく、人間ドラマ
主題は、敗戦によって価値観が転換・崩壊した社会での人間ドラマです。
社会道徳・倫理の変化に翻弄される人々と、その真の姿を見つめる新十郎、真実を嘘で隠し続けるメディア王、それぞれの葛藤を楽しむのが良いみたい。

②坂口安吾の主張:「堕ちよ、生きよ」
私は『堕落論』文庫版と短編数編、安直なマンガ解説本しか読んでない安吾素人ですが。
主に太平洋戦争後すぐの時期に活躍した安吾の主張は、この言葉が象徴しているように思います。
戦前・戦中は暴走する軍部と共に、国民・メディアも一体となって、日本社会全体が戦争を称揚・推進していた一面があります。
それが敗戦後、「戦争は悪である」「天皇は人間だ」と、それまでの日本社会の価値観が根底から覆された。
そうして、よって立つ価値規範を失い途方に暮れる日本人に、安吾は、「堕ちよ、生きよ」と呼びかけました。
『人間は堕落するけれど、それは戦争に負けたからではなく、人間の本性が堕落するものだからだ。
社会道徳やモラルは時々によって変わるけれど、人間の最も自然で根本的な部分は変わらない。
日本社会が一度まっさらに戻ってしまった今、我々は自分の根本が見えるところまで徹底して堕落し、本性に根差して生きていくべきではないか。』
意訳だけど、たぶんこんな感じ。
社会的な価値観に囚われるという次元を捨てて、人間本来の姿を見つめ直して生きて行こう、というメッセージに取れます。
※安吾の作品は「青空文庫」(無料Web小説データベース)にあるので、興味ある方はどうぞ。

③難しいこと抜きにしても、音楽・キャラが魅力的
OPはノイタミナ御用達のSchoolfood Punishment、EDはLAMA(元Supercar)で、各ムービーもセンスに溢れてカッコイイ。
線が細くどこか抜けているけど真実をひたすら希求する新十郎はいい主人公だし、ヒロイン(?)勢も
・ショタ兼妖艶な美女
・無表情電脳ロリ美少女
・好奇心にあふれたお嬢様 と、紳士諸兄にもお楽しみいただける陣容を誇ります。


■「UN-GOって素晴らしいネーミングだよね」みたいなネタバレ感想
{netabare}
だってun-goですよ。
前に進むこと(go)を否定してる(un)んだけど、安吾的には同時に、まさしく前を進むことを示している。
社会的に縛られた価値観の上で前進することを否定し、堕ちて堕ちて堕ちまくって、逸脱の先に生きる道・真実を見つけ出すという主張を、半角5文字できっぱりと表してるように思えます。
思いついた人、その瞬間全能感に酔いしれたのではないかしら。

奇しくも、本作の放送は2011年秋(オリジナル企画だからスタートは震災前のはずで、奇跡的なタイミング)。
その半年前の3.11によって、日本社会の価値観や権威は、大きく転換を余儀なくされました。
作中の「敗戦」と状況が重なります。

言葉によって真実を書き換えるラスボス・別天王は、社会の作り出した規範の象徴でしょうか(それを、魔物である因果が神として恐れてるのも風刺が効いてる)。
「罪を犯す」という堕落の果てに落ちる人々を通じ、人の真実の生き方を探す新十郎。
口当たりのいい嘘で犯罪の真実を隠蔽することで、戦後の復興を優先する海勝麟六。
嫉妬という、価値観うんぬん以前の、ある意味「堕落」した人間の本性に最も近い動機から、別天王を駆り二人に立ちはだかる速水。

震災から4年半経ちましたが、日本社会を貫く価値観はずっと揺らいだままです。
UN-GO作中では、際どい時事ネタとか当時の社会風刺に見える部分も多く、そこで表層的に盛り上がってしまいがちなのですが。
それはそれでスパイス程度、大人の嗜みでフフッと笑って流しつつ。
新十郎、海勝、速水の三人や、他すべての登場人物の姿を通して、もっと根本的な、「今の日本で我々はどう生くべきか」、「何がgoで、何がun-goなのか」という問いを、しんみり考えてみるのも良いのかもしれません。

以上、ちょっとほめ過ぎではあるので、
・ミステリーにしか見えない外見とか
・1話完結ゆえの各話の重みの不足とか
・ボンズなのに見所の少ない作画とか
・スロースターターすぎる物語構成とか
・映画観ないと新十郎の行動原理を(安吾の主張、にとどまらず)真に理解できないところとか、
欠点もはっきりあるんだけど、今でも、というか今だからこそ、観る価値ある作品だと思います。
凄く偉そうなこと書いたけど、他のレビュワーさんの感想に視聴を大きく後押しされたので、改めて皆さんにサンキューをm(__)m

堕落ついでに。
風守まじprpr。
声優さんの演技もビジュアル面も性格付けも、素晴らしすぎるんだが(・ω・)ブヒ{/netabare}


【個人的指標】 76点

投稿 : 2024/09/07
♥ : 16

68.1 3 ミステリーで戦闘なアニメランキング3位
うみねこのなく頃に(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (995)
5164人が棚に入れました
時は、1986年10月4日。舞台となるは、大富豪の右代宮(うしろみや)家が領有する伊豆諸島の六軒島。年に一度の親族会議を行う為に、当家の親族達が集結しつつあった。一見和やかに、久しぶりの再会を楽しむ親族たち。

しかし、島で待っているのは「当主死亡後の財産分割問題」という、親族同士に暗雲を呼び込む議題。かつて当主が、島に隠れ住んでいるとされる魔女ベアトリーチェから、資金調達の担保の為に授けられたとされる10トンの金塊を巡って、長男の横領を疑う親族たち。それに対して、親族たちの困窮を見透かすかのように、反撃に出る長男。さらに余命の迫った当主は、自らの命だけでなく、親族郎党・資産のすべてを生贄として捧げ、最愛の魔女ベアトリーチェの復活を願っていた。

声優・キャラクター
小野大輔、井上麻里奈、堀江由衣、鈴村健一、釘宮理恵、小林ゆう、麦人、小杉十郎太、篠原恵美、伊藤美紀、広瀬正志、小山力也、田中敦子、小清水亜美、船木まひと、上別府仁資、羽鳥靖子、石住昭彦、佐藤利奈、遊佐浩二、茅原実里、大原さやか、田村ゆかり、緒乃冬華、井上喜久子、杉田智和、甲斐田ゆき、斉藤佑圭、米澤円、日笠陽子、吉田聖子、新名彩乃、山岡ゆり、豊崎愛生、喜多村英梨、水野マリコ、廣田詩夢
ネタバレ

★☆零華☆★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

謎の解答がなかったです。謎の答えが解ると驚きます。

ひぐらしと違って、答え合わせがない作品です。

知らない人がこのレビュー読んだら、(答え合わせって何?)となると思うので説明しますと
ひぐらしとうみねこはミステリーホラー(サイコホラー要素も含む)なので
作中で描かれる謎を登場人物達と共に解いていくことになります。

そして基本的に最後に犯人だったり、謎だったりが解るように作られるのですが
うみねこは最後でも明確な解答を視聴者に教えません。

なので観ている方としては(結局どうなったか教えろよ!)と思うのではないでしょうか?


かく言う私もそうでした。
ですので、私がネットを駆使し調べ、引用した解答をここに書きますね。


{netabare}六軒島連続殺人事件とは、魔法とかではなくて、全て人間が起こして行った事件です。

事の起こりは戦時中、右代宮戦人(主人公)の右代宮金蔵(祖父)が、六軒島で初代ベアトリーチェと出会い、二人の間に娘(二代目ベアトリーチェ)が出来ます。
初代ベアトリーチェは、産後の肥立ちが悪く死亡します。

金蔵は、生まれた二代目ベアトリーチェを死んだ初代ベアトリーチェの生まれ変わりだと信じ
二代目ベアトリーチェとの間にも子供を作ってしまいます。
これが安田紗代(三代目ベアトリーチェ【通称ヤス】)です。
二代目ベアトリーチェは、海岸で崖から落ちて死亡してしまいます。

ヤスは多重人格者で、紗音、ベアトリーチェなど複数の人格を持っています。
嘉音も、ヤスの人格の呼び名の一つです。

※これが【アニメを見ている私達視聴者には複数の人間に見えても、実際には一人の人間】
という叙述トリックになっており
一見人間に不可能に見える連続殺人を成立させています。

そして【ベアトリーチェ】という名称で登場する人物が、実際には三人います。

※これは【アニメを見ている私達視聴者には一人の人間に見えても、実際には複数の人間】
という叙述トリックになっており
一見人間に不可能に見える時系列などを読み解く鍵になっています。

※また、人格をカウントする際には、沙音、嘉音などはそれぞれ『1』にカウントされ
ベアトリーチェは魔女であるためにカウントされません。
物語の中で人数が出てくる場合に【人間の肉体の数】をカウントしているのか
【人格の数】をカウントしているのかが伏せられており
これも一見不条理に見える数字を読み解く鍵になっています。

ヤスは、金蔵が近親相姦の過ちを繰り返さない為に
出生の秘密を隠して右代宮家に使用人として連れてこられ育ちます。
金蔵は、86年の六軒島連続殺人のかなり前に死んでいますが
死ぬ前に碑文の謎を解いたヤスに右代宮家当主の地位や財産を相続しています。

ヤスは紗音の人格で、戦人に恋をします。
戦人はヤスに『白馬に乗って迎えに来る』という約束をしますが
翌年から家庭の事情で親族会議に来れなくなります。

紗音人格のヤスは、戦人がいつまでも迎えに来ない事に傷つき
戦人への恋心を自分の別の人格(ベアトリーチェ人格)に預け
別の恋を探します。

ヤスの紗音人格は、譲治と新しい恋をし、交際を進めます。

しかし、86年に数年ぶりに戦人が親族会議に帰って再会した為に
ヤスの中の2つの人格が、紗音は譲治に、ベアトリーチェは戦人に
別々に恋をしている状態になります。

ヤスは自身の恋に決着をつけるべく
①戦人と結ばれる。
②譲治と結ばれる。
③または誰とも結ばれない。
の三つの結果の可能性がある事件を起こそうとしますが、未遂に終わります。

なぜ未遂になったかというと、ヤスが事件を計画した前日に
戦人の両親ルドルフと霧江が、右代宮家の資産を我がものにせんと
他の親族を次々に殺し始めたからです。
譲治も殺されてしまいます。
ルドルフと霧江は、絵羽に返り討ちに会い死にます。

ヤスは戦人と逃亡しますが、ヤスは自分の恋に決着がつけられなかった事に絶望し
海に飛び込み自殺をしてしまいます。

結局事件の後には、戦人と絵羽の二人だけが生き残りました。

戦人はヤスを助けようとした際に、溺れて記憶と人格を失ってしまいます。
しかしその後、徐々に断片的な事件の記憶を取り戻し、『偽書』を書きます。

この偽書というのは、六軒島連続殺人事件をフィクションとして虚実をない交ぜて【戦人が書いた小説】であり

【私達視聴者が見ているうみねこの各エピソードは、この「戦人が書いた『偽書』という小説」である】

という事が真相であり、解答です。{/netabare}


この様に作中で答え合わせをしていたのなら、うみねこのなく頃にの評価も大分違ったと思います。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 19

ARENO さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

答えの明かされない推理小説

◇◆◇要素◇◆◇
嵐の孤島×洋館×そして誰もいなくなった×連続殺人事件×魔女×推理バトル×相当なグロ描写+まさかのモザイク描写


概要です!

有名作品「ひぐらしのなく頃に」の作者が贈る、最強のミステリ(ゲームが原作)
名作「そして誰もいなくなった」を根本に展開される殺人事件が
魔女によるものか、それとも人間の起こした事件であるのかを
証明していくというもの。
作者曰く、「同じ舞台を何回も巻きもどして繰り返していく、それらを重ねて見る事で一本のシナリオでは見えないものが見えてくる」という“多層世界的”なストーリーです!
最初に言っておきますと、ひぐらし視聴済みな方ならお分かりのとおり
残酷な描写、いわゆるグロシーンが大量に出てきます。
連続殺人が起きるたびに、目を覆いたくなるような惨状が描かれているので
免疫のない方は少々きつめかも。
まあ、あんまりにもなシーンにはモザイクかかってますが…
(モザイクを濫用するアニメも珍しいですね…汗)

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・

その大量グロシーンに目を瞑っても納得できる面白さがあると私は
思います。一時期、ものすごくハマっていました!
正直、原作及び小説ファンな私としては、
アニメではなかなか満足いかないところも多いのですが…


何より、話が難しく何度か見直したくなるので、ちょっとアニメに
不向きだったかもです。
それ以前に、あんな残酷シーンは何度も観れたものではありません泣



先に書いた要素だけを見ると、ありがちなストーリーだとお思いに
なるかもしれませんが。
問題はストーリーではなく、物語の作り方及び、いち視聴者としての
この作品への向き合い方、というものでしょうか。


まず、物語中で起こる不可解な殺人事件。しかし、それがどう考えても
人間には不可能な事件であったとしたら。しかし、魔女の存在など
あるわけがない。人間の仕業としてきちんと説明がつく。
ならば、それはどのように説明できるのか。

ざっとこんな内容です。本来なら、作中の名探偵がこれを鮮やかに
解き明かし、一件落着となります。
でも、それじゃあくまで私たちは視聴者でしかないですよね。
ところがこの作品では、あらゆる考え方、ヒントは出ているのに
答えだけは明かされてないんです。


つまり、私たちが自分で考えた人だけがその真相にたどり着く
ことができるということ。(たどり着けなければ終わりですがww)


ちなみに、難易度はかなりのものです。
私も、友人と一緒に放課後を使って謎解きに挑みました。

結果、碑文一つ解けなかった…悔しい泣

このように、よくある推理小説に飽きてしまった方にはすごく
お薦めであります(*^_^*)


ちなみにですが、いままで推理な面だけを大きく取り上げて
きたのですが、もちろんきちんとしたお話が成り立っています。
特に、キャラクター一人一人にちゃんとしたストーリーが
あるんですね。

誰がどのキャラにどんな思いを抱いているか、など。

でもこれって、推理小説にとって大事な要素の一つです。
「動機」を考える上で重要な。
もちろん、うみねこでもこれは求められます。
だからますます、面倒くさい…ww

そうそう、実を言うとキャストって結構豪華でした。
主人公役・小野大輔そのほか、井上麻里奈、堀江由衣、釘宮理恵、小林ゆう
、鈴村健一、大原さやか、遊佐浩二、田村ゆかり、小清水亜美

うわー、書ききれない…でもそれだけ、本当にキャラの数が多いんです。


最後に…
志方あきこさんの歌うOP「片翼の鳥」は、独特の雰囲気によくあっていて、
一発で好きになりました。「うみねこのなく頃に」(曲名)も
お薦めなので、是非聴いてみることをお勧めします!

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・

以上のように皆さんも、魔女の挑戦状たる謎に挑んでみてはいかがでしょうか。

あ、グロ描写が苦手な方は、本当にお気を付けください。
食事時および就寝直前は控えることをおすすめします。


それでは、長々と失礼しました。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

視聴前に本作の事情を知っておいた方が良い

2021年現在からすると、約12年前のアニメですね(私が視聴したのもその時期です)。現在放送中の「ひぐらし業/卒」の視聴を機に、竜騎士07氏原作つながりで うみねこ熱が再燃したので、当時を思い出しながら情報を書いていくことにします。

本作は事情を知らずに視聴すると、大半の方は憤りを感じたまま終わると思います。

それもそのはずで、「アニメのうみねこ」は未完のまま続編が制作されていません。アニメはEp.4で終わってしまいますが、実際はEp.8まであります(詳しい事情はわかりませんが、当時あまり評判が良くなかったのでまぁ・・・)。

アニメうみねこを アニメひぐらしで例えるなら、ひぐらし(解)が来ないまま ひぐらし(無印)だけで終わってしまったようなものです。

Ep.5以降も各Epごとに「魔女とのゲーム(対戦)」は続きますが、一応Ep.1〜4がいわゆる出題編、Ep.5〜8までが解答編にあたります。厳密にいうと、第5,6はヒントのためのゲームが続き、第7,8のゲームでこの世界の「核心」に迫ります。

また、聞いた話では原作のPCゲームもやや説明不足だったそうで、ストーリーの賛否が分かれたそうですが、マンガ版はいろんな情報を補完して良い状態で仕上がっているそうです。

なので、アニメうみねこは『この物語・この世界観の味見』のつもりで観ると良いと思います。

で、興味を持ったらマンガを読むか、ゲームをプレイして最後までストーリーを追ってみてください。コンシューマーゲームとしてもPS3,4,PSP,switchにて移植リメイクされているので、そちらであれば完全版?のストーリーを楽しめるはずです、たぶん(もしかしたらマンガ以上に情報が補完されていたり、追加エピソードがあるかもしれません)。

ちなみに私は原作は未プレイの、アニメ&マンガから同時に入った口で、完全版?ストーリーに関しては大大大満足しています。

少しだけ言っておくと、『これはファンタジーなのか ミステリーなのか』という命題の真相や、戦人(バトラ)および視聴者が最も混乱したであろう・・・ {netabare}魔法の演出、魔女や悪魔や家具の存在、黄金の蝶や碑文の謎{/netabare} などにどんな意味があったのかも、本当なら続編ですべて語られるはずでした(続編があればですが)。

また、「ファンタジーか ミステリーか」という命題はあくまで出題編における命題であって、解答編ではもっと「別の大事なこと」を伝えようと物語が展開します。ヒントは {netabare}小此木社長が縁寿に送ったアドバイス{/netabare} に関係があります。私はむしろ解答編で描かれるテーマの方が好きです。

アニメで興味を持った方は ぜひ最後までストーリーを追ってみてください。出題編に興味を持ったのなら、最後まで追って後悔はしないと思います。

ちなみに、魔法の描写をどう解釈したら良いかわからずに悶々とし、そこだけどうしても知りたいという方にヒントを残して終わります。

{netabare}あなたがこの物語をファンタジーだと疑っているなら、ありのままを受け入れれば良いです。あるいはミステリーだと疑っているなら、魔法が遂行されている「過程」を無視すれば良いです。

「事件の目撃者」がいないのなら、どちらの言い分も通ります。

大事なのは「事件の結果」を見て、あなたが魔法とトリックのどちらを信じて読み進めるかです。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 2

67.3 4 ミステリーで戦闘なアニメランキング4位
NOIR -ノワール(TVアニメ動画)

2001年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (231)
1759人が棚に入れました
パリで裏の仕事を営むミレイユ・ブーケは、ある日、夕叢霧香と名乗る日本の女子高生から不思議なメールを受け取る。そのメールから流れてくるオルゴールの曲を耳にして、ミレイユは驚愕した。その音楽こそ、かつて家族が惨殺された日、現場で流れていた曲だったからである。
ミレイユは霧香にオルゴールの曲について尋ねるために日本へと飛ぶが、霧香は過去の記憶を失っていた。そして、とある事件がきっかけで二人はコンビを組み、裏社会の仕事人として仕事を始めることになる。ユニットの名は「NOIR(ノワ-ル)」。
様々な依頼をこなすうちに2人は真のパートナーとしての絆に目覚めていくが、そんな彼女達の前に秘密組織ソルダの影が忍び寄る。
ソルダとは一体何なのか?その正体は?そして「ノワ-ル」の名が持つ真の意味とは…?

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「あなたと私の過去への巡礼…」

この作品は2001年春から放送された「銃と少女」をコンセプトとした2クールのオリジナルアニメ作品です。
作品に関する事前情報といえば、音楽を梶浦由紀さんが担当されている事くらい…

梶浦さんといえば、魔法少女まどか☆マギカやソードアート・オンラインといった超人気作の音楽を担当されていますが、コゼットの肖像やPandoraHeartsなど、少しマイナーでも梶浦サウンドを思い切り堪能できる作品が存在します。
そういった事から考えても梶原さん目当てで作品を視聴しても大きく外れる事は無いと思っていましたが、今回も予想通り外れクジではありませんでした。

この物語の主人公は、高校生の夕叢霧香(ゆうむらきりか)…パッと見は普通の女子高生…ですが、彼女には自分の過去に関する一切の記憶がありませんでした。
目覚めた時に彼女の持っていたモノの全ては「ノアール」という単語の記憶と飾りの入った懐中時計だけ…

そんな彼女の前に現れたのは銃を持った刺客の数々…
もちろん目覚めたばかりの彼女は銃を持った屈強な男たちに追われる理由なんか分かりません。
ただ一つ分かっている事といえば「自分が殺らなきゃ殺られてしまう」事だけ…
でも不思議と彼女には対処すべき技が身体に染み付いていて、次々と襲い来る刺客を次々と返り討ちにしていくんです。

「自分の過去を取り戻したい…」
こう考えるのはごく自然の摂理だと言えるでしょう…
彼女はパリで暗殺代行業を営むミレイユ・ブーケに一通のメールを発信するのです。

メールを受け取ったミレイユは、頭を金槌で殴られた様な衝撃を受けました。
メールから流れてくるオルゴールの音色はかつて両親の持っていた懐中時計のメロディーと同じだったから…
ミレイユの両親は、ミレイユがまだ幼い頃に何物かによって暗殺されていたのでした。
だからミレイユの頭の片隅には「両親の敵討ち」が離れる事はありませんでした。

日本に渡り霧香と接触したミレイユでしたが、霧香の持っていた懐中時計以外、彼女の敵討ちを進展させる情報を得る事はできませんでした。
「自分の過去を取り戻したい」霧香と、「両親の敵討ちしたい」ミレイユはお互いの利害関係が一致することから、パリで共同戦線…暗殺ユニット「ノアール」を立ち上げ物語が動いていきます。

銃自体の扱いに長けたミレイユと、全身とありとあらゆるモノを殺傷道具にしてしまう霧香とのコンビは最初はチグハグでした。
この作品の見どころの一つは、この暗殺ユニットの成長していく様だと思います。

ミレイユはこれまでずっと一人でした。
相手の事を考えながら生死を掛けた殺し合いなんてできる筈がない…
だってもしもの時の足枷になる…

確かにミレイユの考え方もある意味では正しいと思います。
有事の際のリスクを最小限にするという事においては…
でも「ノアール」での活動を通してミレイユはリスク以上のモノを手に入れたと思います。

活動の幅とバリエーションが広がり、戦闘時におけるリスクを分け合うことができるから…
誰とでも…という訳にはいかないと思います。きっと霧香とミレイユだからこそ、色んなモノを分かち合えたんだと思います。
お互いがお互いの背中を預けるに足るスキルを身につけている…これってやっぱりどんな場面でも大切な事なんですね…

二人が自分たちを「ノアール」と名付けたのは、かつての偉大な暗殺者の伝説にあやかったからでした。
でもこの世には「真のノアール」が存在する…という事実が明らかになった以降、物語の転がり方がこれまでと比べてだいぶ異質に変化したと思います。

これまでは二人の仲を育んできました。
でも、二人の間に様々な横やりが入る様になったんです。
それは物語の核心に近づいているから…

霧香とミレイユへの下に執拗に繰り返し送り込まれた刺客の数々…
全ての免罪符の様な「真のノアール」の存在…
それぞれに意味があり、それらは1本の糸で繋がっていました。
全ての手札が揃い、そして大鉈が振り下ろされる…
物事の真実と二人がどう向き合うのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ALI PROJECTさんの「コッペリアの柩」
エンディングテーマは、新居昭乃さんの「きれいな感情」
オープニングの旋律はかなり独特で一度聴いたらフレーズが頭から離れない系の曲でした。

2クール全26話の物語でした。
しっかりと物語が完結している事が素直に嬉しく思えます。
アニメの持つ販促性の高さも理解できますが、やっぱり腰を据えて制作頂いた作品は確実に見応えが増すと思います。
過去作の視聴も細々ですが、これからも継続していきたいと思います。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 14

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

黒百合物語

【概要】
 2001年春-夏に放送された全26話のオリジナルアニメ。dアニメストアで視聴しました。ノワールとは「黒」を意味するフランス語。

 パリに住み裏社会で名を馳せる殺し屋ミレイユ・ブーケ、記憶を失い本名すら忘れてしまったが超人的な殺人術を身に付けている夕叢霧香(ゆうむら きりか)。2人が出会い、暗殺ユニット「ノワール」を結成し「過去への巡礼」を始める美少女ピカレスク・ロマン。

【感想】
 序盤は1話完結形式で、2人の過去にまつわる話はじわりじわりと進行する。話が動くのは後半からですね。今のアニメに比べると台詞が少なめでスピード感に乏しく、同じシーンの繰り返しも多いので一気見はしんどいかもしれない。

 見所はやはりガンアクションでしょうか。色々凝った演出で楽しませてくれます。ただ後半はやや単調になります。ガンアクションの宿命か、当たると致命傷になってしまうので、当然のことながら主人公の2人はなかなか弾が当たらないんですよね。黒服に何人囲まれようが、弾を平然と交わしていきます(笑) 引き金を引くのを躊躇って取り逃がす場面が敵も味方も多すぎるんですが、これもピンチの場面ではそうせざるをえないガンアクションのお約束というものか。あと、放送当時は表現規制が厳しかったのか撃たれても流血することがなく、やや違和感あり。

 メインストーリー(真相)は引っ張ったわりにやや平凡な印象を受けた。マスターキートンにようにヨーロッパの文化・風習・歴史あるいはミリタリ蘊蓄を盛り込んで話に厚みを持たせた方がよかったかもしれない。

【作画】
 背景は良く書き込まれており、ヨーロッパの街並み・景観・自然はデジタル作画にはない絵画的な味わいがあって素晴らしい。

 キャラデザインはちょっと古い感じがします。あと目の大きいキャラと小さいキャラの差がありすぎるようにも思う。終盤に霧香が覚醒して目つきが鋭くなるのだけど、ややギャグっぽくなってしまった感があります。あと、アイキャッチが超ださい。

【音楽】
・オープニングテーマはALI PROJECT「コッペリアの柩(ひつぎ)」
・エンディングテーマは新居昭乃「きれいな感情」

 とにかくOP曲が耳に残ります。気が付くと「♪コッペリアの柩~♪」が脳内で無限再生されるので注意が必要。「ロッテリアのひつじ」に空耳するという声もある。ED曲はあまり印象に残らず。

 そして梶浦由記さんの音楽が最高に良いですね。ムードたっぷりで曲数も豊富。中でも戦闘時にかかる「salva nos」は必聴。

【百合】
 「ノワール」は深夜アニメにおける百合の古典としても知られています。暗殺者コンビ、ミレイユと霧香が紡ぎ上げる奇妙な絆に注目して見るべき作品です。

 すでにヨーロッパの暗黒街を舞台に「裏の仕事」を引き受け名も上げていたミレイユが霧香をパリまで連れていき一緒に生活し世話をするという保護者的な関係で始まる。
 
 2人で仕事をこなし死線をくぐるうちに強い信頼関係が生まれ、霧香はミレイユに対して親愛の情を深めていくのですが、実は戦闘能力にかけては霧香の方が数段上で、実際にミレイユはピンチを霧香に助けられる場面も多く次第に霧香に対してコンプレックスを抱くようになるのです。

 そこに「真のノワール」を名乗る第三の女、キリエが加わりますます混沌としてくる。やがて真実を知った後、非情な試練が2人待ち受ける…

 仕事のパートナー以上の存在でありながら、親友でもなく、姉妹でもなく、恋人でもなく、「ノワール」という固有の名称でしか表現できない関係性。殺し屋として罪を重ね続け、他の道を選べぬ呪われた少女にとっての唯一つのよすが。うーん、これこそが至高の百合なのかもしれないな。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

絡まった2つの謎と2人の殺し屋の乙女。脚本と音楽が素晴らしい良作です。

 2001年時点で暗殺者がヒロインになるアニメは極めて珍しかったと思います。マンガでは「あずみ」がありました。アニメは女性のバディものガンアクションで「ガンスミスキャッツ」があるくらいでしょうか。この後「ガンスリンガーガール」などが登場します。

 本作は、毎話「ノワール、其は古よりの定めの名、死を司る二人の乙女、黒き御手は嬰児の、安らかなるを守り給う」という詩の朗読があります。これがなかなか良くてOPから含めて作品に入り込んでゆきます。

 1話。時計そして音楽をモチーフに記憶を無くしたJKとフランスの美人殺し屋ということが一気に説明され、あっという間に引き入れられます。

 2話以降、この記憶をなくしたJKと美人フランス人殺し屋のバディものとして、2クールで話が展開します。時に本筋と関係ない話も入りますが、1話の脚本として内面描写や郷愁を感じさせる出来で、引き延ばし感や中だるみ感は感じませんでした。

 アクションシーン、特にピンチの場面の描写に若干時間的間延びがあり、ツッコミを入れたくなりますが、これは古いアニメの演出なので極めて短い時間を詳細に描写しているものとして受け入れましょう。

 2クールものですし、内容がシリアス寄りですので一気見には向きません。「刺激」や「緊張感」は麻痺が来るので、段々退屈すると思います。1日1、2話。多くても3話くらいで余裕があるときに見た方がいいと思います。

 で、後継の「マドラックス」と極めて雰囲気は似ています。作画、演出、アクション、音楽性、展開、キャラ配置など。ですが、本作にマドラックスのような難解さ、オカルトはあまり感じません。
 その割には、ガンアクションものとしてもそうですけど神秘感や、死と隣り合わせのアンニュイな雰囲気が出ていました。

 脚本が秀逸で展開、謎解きについて物語、構成がよく練られていました。初めの詩や時計・音楽、そしてパリの雰囲気が上手く活きていたと思います。

 謎部分は見てのお楽しみですが、要するに宗教原理主義、歴史の裏、暗殺者として生い立ち、少女と女性は最後どうなるのかを見極める話です。
 クールそうに見えて、実は2人とも友情や家族愛に隙があるのがキャラに感情移入できる要因になっている気がします。

 で、最後の謎部分です。
{netabare} 最後の最後で、傷ついた霧香に肩を貸すミレイユは「パリに帰って熱いお茶が飲みたいわ」といいます。この時、ミレイユは光ったような霞がかかったような雰囲気になります。
 そして銃声が2発轟きますが、違う音です。最後は壊れた時計とは2人の時間が止まると言う意味と、ソルダではなくなるという意味でしょう。その前の灯りを自分でともすというミレイユの言葉や、霧香の怪我、組織があえて見逃したことから言っても、2人が自決あるいは撃ち合った=運命に翻弄された人生を初めて自分で選択する、ということだと受け止めました。 {/netabare}
 作品の根底に流れる無常観、アルテナ・ソルダの両方に対する自分たちの解答、殺人行為の清算と言う意味でもそういう結論がしっくりくると思います。

 アクション要素の他、絡まった2人の謎解きとどうやって2人の殺し屋の乙女が生きてきたかという運命について考えてしまう作品でした。テーマ性は重視せず、運命についてのモヤモヤを咀嚼するのがいいと思いました。そこがラストの解釈になってくると思います。
 エンタメ性を保ちつつ、殺伐とした世界観と詩情を融合させて、最後には感動と言うよりも、切ないながらも納得の行く作品になったと思います。素晴らしい脚本でした。

 音楽はOP、EDもいいですけど、BGMも聞かせました。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 7

69.6 5 ミステリーで戦闘なアニメランキング5位
魔法少女サイト(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (395)
1487人が棚に入れました
学校でクラスメイトからのいじめを受け、家では実の兄からの虐待に耐える日々を送る中学生の朝霧 彩(あさぎり あや)。いつも死ぬことばかり考えていた彼女は、ある日、不気味なWEBサイト「魔法少女サイト」と出会い、魔法の力を秘めた”ステッキ”を手に入れる。彩は魔法の力を手に入れたことで、同じくステッキを持つクラスメイトの奴村露乃(やつむら つゆの)、そして他の“魔法少女”とともに苛烈な運命に巻き込まれていく――。

声優・キャラクター
大野柚布子、茜屋日海夏、鈴木愛奈、芹澤優、山崎はるか、岡本信彦、鈴木達央、中尾隆聖、安里勇哉
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

もう御兄様しか見えない(笑)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
「魔法少女まどか☆マギカ」から始まった、新たな魔法少女モノの系譜。「マギカ」は創設者としての見処やインパクトがあったし、「ゆゆゆ」や「まほいく」も、それなりに見処があった。

ただ、本作は、、、御兄様にしか魅力がなくて(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
残酷な設定を用意した、デスゲーム系ですね。詳しくは「王様ゲーム」のレビューに書きましたが、知的な要素を組み立てられない、ただの残虐なショーになってしまえば、デスゲーム系は見る価値がなくなります。

本作でも、「オカシイ」という点が多々ありました。ありすぎました。

まず、本作の発端となる、朝霧へのイジメですが、あんな学校は流石に有り得ないでしょ(苦笑) 机の明らかな落書きを見過ごして自殺でもされたら、学校や教師のリスク高すぎるでしょ。バレないようなイジメなら見て見ぬふり教師もいるかもしれないけど、流石にあんなあからさまなイジメなら見過ごされないと思いますよ、このご時世。

にじみんとのクダリもオカシイ。普通に「塩井に情報を吐かせてから殺させる」という条件で、にじみんと取り引きしたらいいと思うし。もしくは、(作中でも言っといたように)時間止めてパンツ奪い、自分で使ったら? それをしない理由が「他人のパンツを履きたくない」って、いや、そんな場合か?(呆)

あと、 ヨーヨー、超弱い(笑) あれなら、銃の方が強くない? てか、奴村のステッキだけが破格の強さ。範囲無限、制限時間なし(任意解除)なら、離れた所で使えば最強じゃん。朝霧とのコンボを使わなくても(カッター使えたし、物体の移動は自由に出来そうだから)時間かければ運んだり拘束できるし。

朝霧と奴村がマンションの瓦礫からステッキ探してたけど、あれだけのマンションなら生き埋め多数だろうし、レスキューさん達が夜通し作業してるでしょ。夜だから帰るとか、やる気ない公務員か(呆)

使えば寿命が縮むハイリスクなステッキを、自己紹介がてらに軽く使う(まあ、信用させるためってのはあるかもだけど)とか、安易か。

テレパシーで(命を削ってまで)皆に一斉に連絡、、LINEでよくね?

兄貴大活躍は良いけど、声で操るだけならヘッドホンとか遠距離射撃とか、いくらでも対処できそうだけど。

対管理人戦。ステッキが効くなら、奴村のステッキ(時間停止)が最強なんだから、寿命に余裕ありそうな奴が使ったら良いやん。てなことに作者も気付き、奴村を無駄死にさせてまで管理人に奴村ステッキを壊させる始末(スマホ囮にヨーヨー使うより、スマホで止めてヨーヨー使えば良いだけ)。というか根本的に、管理人は自分が殺されかねない強力なステッキを魔法少女にあげなければ良いのでは? ステッキを独占しているなら、全員に弱いステッキをあげれば(殺しあわせる)条件に差がでないし。それとも、自分の担当が勝ち残れば、管理人にも旨みがあるのかな?

朝霧のステッキ(瞬間移動)、最後に「命(寿命)」まで移動できるっつうチートっぷりが発覚。じゃあ、その辺の適当な奴でも捕まえて、魔法少女に命(寿命)を移しまくれば、みんな不老(寿命問題解決)じゃん。ステッキのリスク回避。作品が根底から覆る技。朝霧はそれをやらないだろうけど、塩井あたりならガンガンやりそうじゃない?

まあ、その他も多数。

デスゲームの残虐性や心をえぐる感じとしては、「魔法少女育成計画」に及ばず、魔法少女が己の悲劇に立ち向かう熱さでいえば、「結城友奈は勇者である」に及ばず。ジャンル違いですが、能力バトルのおもしろさでいけば「サクラダリセット」に遥かに及ばず。

強いて本作の際立つ個性としては、やはり兄貴の面白さだけですかね。最後に、開けてはならない扉も開けられていたようですし(笑) もう途中からギャグアニメと思って見ていたから、グロさは気にならす。

とにかく、申し訳ないのですが(これが原作通りなら)原作者の力量不足を感じました(アニメスタッフのせいかもしれませんが)。とりあえず、残酷で深そうな設定だけ用意して書き始めたものの、細かな部分でソレを物語として成立させるだけの力はなかったように思います。

厳しい言い方だし、「じゃあお前が書いてみろ」と言われればそれはムリなんだけど、命を軽く粗末に扱う作品に対しては、感情的になってしまいます。申し訳ないのです。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
そんな学校、ねぇよ(苦笑) 机の明らかな落書きを見過ごして、自殺でもされたら、学校、教師のリスク高すぎるでしょ。バレないようなイジメなら見て見ぬふり教師もいるかもしれないけど、流石にあんなあからさまなイジメなら見過ごされないよな、このご時世。犯罪者集団じゃねぇか。こんな表でレイプしたらバレるだろうし、線路にモノ(猫)を置いたら、防犯カメラに映らない?

まあ、もはやよく観る魔法少女モノ。

2話目
兄貴の顔(笑)

3話目
エンディング(笑)

4話目
全くの正論(笑) てゆーか、普通に「塩井に情報を吐かせてから殺させる」という条件で、にじみんと取り引きしたら? もしくは、時間止めてパンツ奪い、自分で使ったら?

5話目
あのヨーヨー、弱くね? 普通に銃とかの方が強いんじゃ? 朝霧の銃もあんだけ回避されるなら、マジで、奴村さんのステッキだけが破格の強さだと思うんだけど。兄貴、ギャグキャラ(笑)

6話目
にじみん、それで良いのか? 生き残るのが一人なら、共闘も意味を成さないよね。あれだけのマンション、埋っている人も多いだろうに、絶対に、レスキューが夜通し作業してるよな。

7話目○
ジジイ、ギャグかよ(笑) 寿命間際の塩井と強ステッキ持ちのにじみんの二択なら、間違いなくにじみんだろ。このギャグテイストなら、まだ観られるんだけどな。リスクが高いのに、自己紹介のために魔法使うなよ。テレパシーを使い、みんなに一斉に連絡、、、LINEでよくね?

8話目
唐突なサービスシーンにギャグテイスト。監督代わったのかというくらい。

9話目
兄貴、大活躍だな。いやだから、声聞こえないところから遠距離射撃とか、ヘッドホンとか。魔法には優先順位はなく、後だしジャンケンなんだな。次回予告が楽しみw

10話目
だったらもっと、にじみんとの友情をちゃんと描いておかないとね。今回の兄貴、つまらん(笑)

11話目
いやだから、寿命に余裕がある奴が強力なステッキ使えば? 身体強化とハンマー、ダブルで使ったら? 管理人、ステッキ(スマホ)を狙い撃ちするより、奴村を狙い撃ちしたら?

12話目
海にくるクダリだけは好きだったな。瞬間移動、そんなことも出来るの? じゃあ、その辺の適当な犯罪者でも捕まえて、魔法少女に命(寿命)を移しまくれば、不老じゃん。2期、あっても見ないかな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 23
ネタバレ

一言 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

登場人物にサイコパスが多すぎる

一言で言えば、胸糞展開まみれの魔法ステッキアニメ。


まどマ●、ゆ●ゆ、まほ●く、など、最近はもう珍しくなくなった魔法少女ものには鬱展開がつきものというパターン。
この作品はどんな鬱展開が待っているのかと思ったが、別のベクトルで鬱…。

そしてこれは「魔法少女もの」ではない。
まず、魔法少女には鉄板の変身がない。当然、専用の服もなくそのまま。
また、何か使命を課せられているわけではなく、ステッキは自由に使っていいというふわっとした理由で与えられる点もあまり魔法少女っぽくない。
(魔法少女サイトというより、魔法ステッキサイトのほうがふさわしい気がする)

この作品の強く出てる個性は、主人公の酷すぎる環境。
学校での虐められている環境もそうだけれど、クソ兄貴が本当にクソ兄貴…。
正直ここまでの胸糞キャラは久しぶりにみたレベルのクズっぷりの兄貴。。
一番ひどいのは1話で、ちょっと視聴し続ける自信をなくすレベルで残酷な描写と目を覆いたくなるような可哀想な展開が多い。
まあでもピークは1話なので、興味がある人は視聴をお勧めする。

次に顔芸。
興味のある人はググってみてください。

全体として、面白いです。
人は選ぶと思うけど、登場人物が本当に酷いのでそういう意味で飽きさせません。
どうなってしまうのか気になって視聴がやめられない感じ。


でもちょっと、もやった部分を書くと…。
{netabare}
まず、潮井(ピンクメガネ)は、たくさんの魔法少女を殺して、奴村さんと朝霧さんを本気で殺そうとまでして、かなりかなり酷い言葉(ごみとかくずとか生きてる価値ねえよとか…)で朝霧さんを罵っていたんですが…。

しれっと顔で同じチームにいるのが本当に謎。
というか違和感でしかないし個人的に許せない…。
本当にクソ兄貴といい勝負のクズ。
こいつを何故生き残らせたのか本当に作者の意図が分からない。

何かすれ違いがあった上での殺しだったとか、理由があっての殺しならともかく、完全にステッキをたくさん奪うという個人的な目的の為で、完璧に殺人鬼。
本当にこいつだけは何故生きて居るのか謎。
まだ悪役として居続けるなら筋が通るけど仲間になる展開は分からない。
原作でその辺掘り下げがあるんだろうか…?


特に、にじみんが死んだときにしんみりしてるのも意味が分からない。
いやいや、あんたにじみん殺そうとしてただろう…。
しかも、借りてたCD壊してごめんなみたいな軽いノリで、友達殺してごめんなって…。ふざけるのもいい加減にしろと。。

あと、「私達を頼れ!信用しろ!」ってアツくなりながら言うセリフにはちょっとギャグを狙っているのかと思うほどだった。
そんな台詞このキャラに言わせるなよと。。。

もうサイコパスとしか思えない。
原作もこの通りならちょっと作者に問い詰めたいレベル。
問い詰めたいと言えば、あんなにキレてたにじみんが潮井と普通に水遊びして楽しんでた描写があったのも謎。


あとはサリナ。
朝霧にも原因が多少あるとはいえ、あそこまでひどい苛め、法アウトな犯罪しといて、友人殺されたと勝手に思い込んで執拗に追い掛け回す…、本当に個人的に嫌いなキャラクター。クソ兄貴と同等レベル。

ステッキを手に入れてから、朝霧たちに復讐()と称して色々やりあったシーンがあったけど、あそこも本当に聞くに堪えないくらいの酷い罵詈雑言を投げつけてたが…問題なのはその後の展開。
管理人にイラついたからって理由で朝霧たちに協力するの、安直というか心変わりすぎない?
まるで理解できない…。

いじめぬいて、復讐()もしようとして、ほぼ殺そうとしてた相手に協力するのは何なのか…。
いきなり冷静で物分かり良くなるのも意味がわからん…話が通じないタイプの人間だったでしょ君…というツッコミどころが満載だった。

そしてここまでくると朝霧さんにもいよいよ感情移入しにくくなる。
あんな頭のおかしくなりそうな苛めをうけて、殺そうとして来た相手を何故受け入れられるのか…。
朝霧+奴村VS潮井+サリナVS管理人の三つ巴展開の方がキャラの行動理由が理解できると思うのだけども…。
{/netabare}

というわけでキャラクターの言動の矛盾がちらちらあって本当に気になった。
そこが本当に惜しい作品。

{netabare}
だから、最後にサリナと潮井が生き残っているのが違和感で、仲間だねって微笑み合ったり照れてたりするのが本当に意味が分からなかった…カタルシスを感じられなかった…。
やっぱりね、敵と仲良くなるならそれなりの理由や納得のいくその行為に至った背景、過去が欲しいよね…っていう批判もとい愚痴でした。

奴村さんだけは行動に一貫性があった。この作品の良心。
{/netabare}

でも、作品としては十分に楽しめました。
{netabare}
最後はなんかハッピー百合エンドみたいな感じだったけれど、原作はもっともっと残酷らしく、この展開はアニオリらしい。
原作は気になるけど、サリナと潮井の扱いがアニメと同等なら、ちょっともやもやしそうなので買わないかも。

あと最後にもう一つ批判するとしたら、実写EDはいらなかった。。
そんな特殊すぎるED回をつくるより、にじみんが死んだ回で泣ける特殊EDに差し替えてほしかった。死んでるのにゼンゼン~トモダチ~って合ってなさ過ぎる。。
{/netabare}


色々思うところはありましたが、二期があるなら見たい作品です。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

抗わず生きるか、抗って死ぬか

この作品の原作は未読ですが、「魔法少女」という単語に反応したんでしょう…
そにれ声優さんも視聴に向けて背中を押してくれました。

主人公である朝霧彩を演じたのは大野柚布子さん…昨年「このはな綺譚」の柚でたくさんの感動を与えてくれた声優さんです。
その主人公を隣で支え続けた茜屋日海夏さん…「終末のイゼッタ」での熱演は記憶に新しいです。
他にも芹澤さん、原由実さん、M・A・Oさん、本渡さんにLynnさん…
毎期たくさんのアニメが放送されているにも関わらず、これだけの声優さんが揃うんですよね。

日本のアニメのクリエーションの高さに一翼は、絶対声優さんが担っていると思いますし、改めて厳しい世界なんだと痛感しています。

この物語に登場する少女は総じて不幸を背負っています。
そして彼女たちの背負った不幸のレベルが半端なく高いのが特徴です。
物語が始まると、目の前に映し出されるのは学校内で一人の少女に向けられた憎悪と敵意しか感じられないいじめの数々…
特定の人が本人に分からない様に…若しくは直接手や口をだし、周りの人たちは見てみないフリ…
だって、もし庇う様な素振りを見せたら、次の標的は自分になるのがみんな分かっていたから…

正直1話目から視聴が辛かった作品に出会ったのも久しぶりです…
でも朝霧彩に課せられた試練はそれだけじゃありません。
彼女が精神的に…肉体的に休む暇が与えられない程、時と場所と手を変えながら次々といじめと称する暴行が繰り返されるんです。

確かに他人と接するのが苦手なので、受け答えが十分じゃない事があったのは事実です。
ですが、それはいじめの理由にはなりませんし、それを継続する理由にすらなる筈がありません。
そして、これも定石ですが、いじめってどんどんエスカレートするんですよね。
そしていつの間にか取返しのつかないところまで行ってしまう…

そんな極めつけの不幸を水際で止めるのが、魔法サイトの管理人…
都市伝説だと思っていたそのサイト…実は実在していたんです。
「不幸だねー、不幸だねー。 そんなキミに魔法の力を与えよー。」
こんな台詞と共に少女の前に姿を現し、魔法のステッキを与えるんです。

何故サイト管理人が不幸な少女に魔法ステッキを与えるのかは不明です。
ですが、彼女たちにとって心の拠り所になることは間違いないと思います。
この魔法ステッキ…効能はそれぞれなのですがとっても便利なんです。
そんな素晴らしいステッキ…隆使う代償が無い訳ありませんよね。

自分の身を守りたい…
不幸のどん底から抜け出したい…
自分を不幸に貶めた奴に復讐したい…

そう思うのも無理はありません。
だって魔法のステッキは、これまでの絶望的な状況を打破できる唯一無二なのですから…

ところが、物語は思わぬ方向に転がっていくことになります。
まず、魔法少女狩り…
管理人から貰ったステッキを持つ魔法少女を殺害してステッキを奪う少女の存在が明らかになるのを発端に、次々と奇妙な事件が起こり始めるのです。

結局不幸から抜け出せないの…?
そう感じた魔法少女は徒党を組み、足元まで迫っている絶望的な状況に抗おうとするのですが、事はそんなに簡単ではありません。

それに人の好意に付け込む輩まで登場し、物語の鬱っぷりは中盤で最高潮です…
その鬱っぷりは終盤まで持続するんですけどね。
絶望に歪んだ表情ととめどなく流れる涙…それが堪らなく好きな人も世の中にはいるんだそうです。
いつでも自分を正当化…何をしても自分は間違えない…自分は正しい…自分は絶対…って、もうそれ自身勘違いでしかありませんから…

でも彼女たちはこの状況を打破するには必死に抗わなければならないことを、分かっていました。
少女の必死の抗いは絶望に届くのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、i☆Risさんの「Changing point」
エンディングテーマは、山崎はるかさんの 「ゼンゼントモダチ」
オープニングについては、9話でちょっとしたサプライズがありましたが、
正直あまり嬉しいサプライズでは無かったのでこのくらいで止めておきます。
まぁ、インパクトはありましたけどね。

1クール全12話の物語でした。
これまでも鬱系の作品は色々みてきましたが、鬱っぷりだけなら間違いなくトップクラスの作品だと思います。
視聴していて心が痛みが半端じゃありませんでしたから…
そしてこの作品も続編への繋がりを…というより、この作品の闇はこんなモノじゃないと視聴者を諭すような…そんな幕切れだったと思います。
続編…宜しくお願いしますね。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 19

63.0 6 ミステリーで戦闘なアニメランキング6位
MADLAX マドラックス(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (166)
1067人が棚に入れました
近代化を推し進める政府の国王派と、それに反発する反政府組織ガルザとの間で12年の長きに渡り内戦を続ける、ガザッソニカ王国。
そこでは、あるエージェントの存在が、政府軍兵士と反政府ゲリラ双方の間で知れ渡っていた。驚異的な戦闘能力を誇る美少女の名はマドラックス。
一方、先進国ナフレスに12年前の記憶をなくしたマーガレット・バートンという一人の美少女が、何不自由ない普通の生活を送っていた。
全く別々の場所で対照的な生活を送る、マドラックスとマーガレット。しかし、マーガレットが自宅で見つけた赤い本の秘密を探り始め、ヴァネッサが内戦の原因を探るためにガザッソニカに飛んだことで、隠されていた二人の接点が明らかになっていく…。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

意図せず生まれた純文学といえるかもしれません。

 本作は意図しないで出来上がった純文学なのかもしれません。純文学とは大衆に迎合しないことで、その意味では本作は文学ではありません。演出、構成、キャラ、音楽、そしてストーリー。どれをとっても計算して作ってあります。大衆向けのエンターテイメントです。

 ですが、見ている側からすると「どうしてそうなるの?」が語られません。ガンアクションなのか、ファンタジーなのか、サスペンスなのか。いろんなことに幻惑されうちに、いつの間にか人の内面について考えさせられます。
 エヴァ以降世界観だけを見せて「理由」を語らないアニメが増えましたが、その一つの到達点として意図しない純文学的なアニメになっていると感じました。

 ストーリーです。ストーリーは不思議な構成で、主要な登場人物の誰に感情移入しても、何かが見える、ということです。ここがこの物語の文学性を高めています。

{netabare} 一人の少女が父親を殺したことにより精神が分裂してしまいます。本質の世界にいたせいでしょうか。2人の少女を現実に生み出し、3人になってしまいます。一人はもともとの貴族の娘マーガレット。一人は殺し屋マドラックス、そして人形から生まれた真実を知る少女レティシアです。

 マドラックスが殺し屋としての活躍の話と思いきや、それはまったくの舞台装置です。ガンアクションはすごいのですが、マドラックスがなぜ殺しをするのかというのが物語の最後の結末につながります。そして、マーガレットとの不思議なシンクロ。赤い靴、雨、本、黄色い花、そしてパスタ。2人の間のつながりが暗示されます。孤独なマドラックスとバレッサとの不思議な友情と結末も胸にきます。

 また、3話に登場するグエンマクニコルという将軍との話が非常に良くて、このエピソードのマドラックスの感情を追うだけで一つの文学になっています。

 カロッスアという闇の組織のエージェント。3冊の本を集めるとその本質の世界への扉が開きます。アンファンという闇の組織が暗躍しますが、カロッスアという男が組織を裏切り独自に本を集めます。そして、3冊の本が集まり真実を知った結果、己が何者かを知ります。ここは「なぜ」を言ってはいけない部分です。少女革命ウテナのような結末でした。

 エレノア。マーガレットのメイドです。献身的な愛情をそそいで常にマーガレットのそばにいます。命がけでマーガレットを守ります。でも、祖父からマーガレットを託された時に恐らく自分の中で何かを殺したのでしょう。本質はマーガレットを疎ましく思っていたのだと思います。それが最後に明らかになる彼女の感情です。でも、それだけではありませんでした。

 怖い人。リメルダ。マドラックスへの興味が捩じれた愛情へと変化します。殺したいほど…という感じです。そしてマドラックスとの間に生まれた奇妙な友情。また、最後の場面。
 マドラックスと2人でいるとき赤い月と青い月がでていました。これは現実ではないということ、あるいは新しい世界が生まれたのだということでしょう。 {/netabare}

 と、書きだしたらきりがないくらいに多面的に人間の欲望や感情というものを見せてくれます。もっといえば存在の虚ろさみたいなものが随所に感じられます。

 物語は謎が多いしギミックや伏線が多いせいで複雑に見えますが、そこは最後まで見れば解決します。不思議なテンポというか間が美しい音楽とマッチして、普通のアニメではない独特の雰囲気を醸し出しています。

 ガンアクションだと思われがちですが、人の内面について考察できるアニメだと思います。製作意図は恐らくもう少し違ったものかもしれませんが、一度じっくり見ると純文学のように持て余した感情を後に引きずるでしょう。

 ヤンマー二でギャグみたいに思えるかもしれませんが、音楽のクオリティーの高さには驚きます。エンディングのモノ寂しい雰囲気が大好きでした。オープニングの歌詞がかなりストーリーの本質に迫っているかもしれません。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 3
ネタバレ

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

イニシエーション

「ノワール」(ずっと「NOIR」だと思っていたのですが、カタカナ表記が正式なタイトルのようです)「エル・カザド」と並んで"美少女ガンアクション三部作"と言われている作品の第二弾です。

例によって真下耕一監督アンド"美少女×銃"大好き人間なので、果たして皆さんが参考にできるレビューと言えるかはわかりませんが(笑)、やっぱり面白かったです!

マドラックスを執拗に追いかけるイメルダ・ユルグからは「エル・カザド」のL・A(性別は違いますが)、ナハルからは服装を含めて「ノワール」のクロエを感じる(クアンジッタ・マリスンはもちろんアルテナ)
など、"三部作"と言われるのも納得の既視感があります(だが、それが良い!)。マーガレット・バートンに至っては声優からしてモロ「ノワール」の夕叢霧香・・・(笑)

放送時は911から間もないということも関連してか、"戦争"が作品全体を薄っすらと覆っています。エリックが劇中で語る自分と世界の距離感というものは完全に「機動警察パトレイバー 2 the Movie」で語られたアレです。ガザッソニカのアジア感はベトナム戦争っぽくもあり、「BLACK LAGOON」のロアナプラっぽくもあり・・・。

飛行機事故のくだりで「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」を思い出したり、カロッスア・ドーンやフライデー・マンデーからムスカ臭を嗅ぎとったりもしました(笑)。終盤にマーガレットと二人でいる感じはまさにラピュタ(?)

声優陣では、有名かつ真下監督作品でもお馴染みの面々が名を連ねる一方、エリノア・ベイカー役の内川藍維さんに注目しました。ヘタウマな感じ(失礼)が非常にクセになります
(出演作品の数を見ると、長所になっているわけではないみたいですが・・・(^-^;)。

金田朋子さんもめっちゃ良かったです、っていうかキャラクターの中ではレティシアが一番かわいかったです!特に目。

梶浦由記さんによる音楽が素晴らしいことは言うまでもありません。彼女が音楽を担当したアニメをもっと見たい・・・と思ったら、たまたま僕が見ていない作品を担当しているだけでした(;^ω^)

年齢的に難しいのかもしれませんが、真下耕一監督の新作を是非見てみたいと改めて思いました。"美少女×銃"でも、「無限の住人」や「へうげもの」に通じる時代劇でも、監督の集大成と言えるテレビシリーズを切望します。(調べてみると、ビィートレインがアレしてしまってるみたいで心配ですが・・・)


P.S.めっちゃネタバレになるのでやめたレビュータイトル候補→{netabare}「私たちに翼はない」、「複製された女」{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 4

nori さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

隠れた名作ハードボイルド系

2000年代の深夜アニメでは1番だと思ってます。当時リアルタイムでも観て
DVDでも見ました。
張り巡らされた伏線、世界観BGM 世界も国をまたいで2世界と異世界もあるし
マーガレット以外のキャラクターが狙いすぎの萌えみたいなのがないし
女キャラ多いけど、エロとか萌えとかで釣るような内容じゃなくキチンとリアル気味に描写されていてそれぞれ生きている感が伝わってくる感じ
内容自体は人を選ぶかなりハードな内容ですはっきり言って娯楽感は捨ててる内容です これぞ深夜って感じでした。
真下監督のEATMAN辺りが好きな人に完全にはまります。
リアル気味に描写されてるけど、戦闘自体はファンタジーっぽい感じもあります主人公の存在理由にかかわりますがあと戦闘はあっさりです、戦闘のアクション自体が見どころの作品ではない感じです。 イカにもガンアクションが好きな人にも向かないと思います ネットとかでキャラクター人気とかがいまいち出なかった理由もわかります、ハードすぎる話で見る視点によればつまらないと感じるでしょう、 人がいきる意味 自分探し的な要素 家族愛と戦争 憎しみ など テーマは重いですが見ごたえあります。マーガレットのキャラ絵で萌え系の軽い作品かなと思ってみるとなんじゃこりゃーとなりますのでご注意を。
EATMANもそうでしたが視聴後に考えさせられる作風です。鬱気味になるかもしれません。
 追記 今さらで古いですが BGMが相当良いので サントラ1と2
は聞いた方がいいです kalafinaになってからの梶浦より良いと思いました
MADLAXのサントラは定期的に番組とかで切り出されて使われてるようです。
マイナーな楽器チェンバロみたいな古楽器が使われてたりしてクオリティは高いです。 マスタリングは言うほどでもないので高給なオーディオで聞くと粗が見えますが、クラシック聞いてる人でも聞けます。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 4

53.4 7 ミステリーで戦闘なアニメランキング7位
DRAMAtical Murder(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (171)
918人が棚に入れました
主人公・蒼葉は、日本列島の南西に位置する碧島で、ジャンクショップでアルバイトをしながら、祖母のタエと2人で暮らしていた。島では肉弾戦での縄張り争いを繰り広げる「リブスティーズ」、仮想空間でバトルを行う電脳オンラインゲーム「ライム」が流行していた。蒼葉はそのどちらにも参加せず、日々を過ごしていたが、ある日、突然に強制的にライムバトルに引きずり込まれてしまうのだった――。

声優・キャラクター
私市淳、高橋広樹、日野聡、松田健一郎、中澤まさとも、竹内良太、高橋研二、間島淳司、樋口智透

nani-kore さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

不思議(ヘンな)色と音の世界(-"-)

終わっちゃいました。。ナンだったんだろ、このアニメ?
色も音も服も話もヘンです;
どこが面白いのか、こんなにはっきりしないのも珍しいですね!
つまりは面白くなかった、とゆーことになるのでしょうか。。

*以下にも騒ぎましたが、ノイズだけ、めっちゃハマりました。
彼の不思議な魅力(総キャラ不思議ちゃんですが;)は、私の好みにぴったりだったのでしょう。
私がノイズの回にだけハマったよーに、みなさんも、自分の好きなタイプのキャラの回だけハマることもあるかもしれませんね。。なので、キャラのみ★3.5にしとこ~
あとは評価したくありませんので、3.0です。

意外と男性に高評価の方がいらっしゃるので、今までにないSFとして観れば、確かに価値のあるアニメなのかもしれません。
本来持つべき期待をし過ぎると、肩透かしを食らうとゆーワケですか(-"-)
。。以上です。

**********************************
8話目にしてモエ~3
ノイズがあんまりカワユイので、2度観てしまいまちた。。

ちなみに7話目から、EDは個別のキャラソンに。
7話は紅雀のエピソードで、EDは紅雀でした(モエなかったけど)。
ノイズ萌えの今回、8話のエピソードとEDは、もちろんノイズ。
つー事は、来週は誰のエピソードになるのかな~?

相変わらず、ちっともBL色は無いんだけど、各キャラの攻略ルートを薄っすら踏襲し始めたみたい。
ノイズ、あんまりカワイイから、ゲームやりたくなっちゃうよ~;
ゲームのノイズはもっとカワユクて、かなり大胆らしいです。。

*********************************

過激なBLゲームで名高い、Nitro+CHiRALから発売されたゲーム原作。
前作「咎狗の血」が、ほとんど色味の無いモノクロの世界であったのと一転し、目がチカ☆チカ☆するほどカラフリャ~☆
登場人物達のファッションも、奇抜というか懐かしいというか。。とにかく何だか不思議な絵なのです。

7話まで視聴しておりますが、正直、全く面白くありません。
イケメン揃いなのに、変な色と服(言っちゃった!)せいか、ちっとも萌えません。
原作ゲームはかなり過激なBLっぽいのに、ちっともエロくもありません。
前作アニメ「咎狗」の方が、ストーリーはずうっと面白いし、ところどころエロめかしくて、モエモエします。
ただ、このアニメの不思議な色彩と画、脳内から酔いそうなOPの音に、ついつい惹き込まれてしまうのです。
飼い主を見つめるニャンコのような、主人公アオバの瞳にも、吸い込まれてしまいそうになりますね。。ちょっと怖いけど;

面白い、面白くないで判断するアニメじゃないのかもしれません。
じゃあ、どうやって評価すればいいのかな?
。。分かんな~い。
全部観てから★つけてみマス(^_^);

興味ある方、一緒に観てみましょ♪

投稿 : 2024/09/07
♥ : 14
ネタバレ

境界線の観測者 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ぱっとしない、色々と惜しい作品

日本列島の南西に位置する碧島。

島では肉弾戦での縄張り争いを繰り広げる「リブスティーズ」
仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」が流行していた。

巻き込まれ系主人公のSFアクション、サスペンス。

設定や世界観は丁寧に作られているのが伺える。
しかし残念ながらそれを伝えることが出来ていなかった。

全体的にテンポがよくない。
続きを見せるための引きが弱く、続きが気になる様に作られていない。

ストーリーの事件をきっかけに
キャラクター同士の関係性を描いているがこれはまぁ普通。
普通に良い話だし心理的な描写もそこそこましなでき。

アクションシーンはだめだめ。
正直、電脳空間の戦闘描写はもっと頑張ってほしかった。
心理世界の描写はまぁそこそここんなもんかなって感じ。

全体的に地味、ぱっとしない。
下の中、アニメ作品としてはそんな印象を受ける。
できそこないだけど、見るのを辞めるほど話は破城していない非常に困る作品。

機会があってもみるのはお勧めできないが
どうしても見たいのなら止めはしないといった作品だ。



自分用メモ

第1話 Data_01_Login
{netabare}
主人公、世界観の説明に終始。

神隠し、デスゲームですね、はい。

期待ができる「におい」がしない一話だ。
{/netabare}
第2話 Data_02_Crack
{netabare}
チーターかよ

神経の通っている髪
{/netabare}
第3話 Data_03_Presage
{netabare}
最強ばあちゃん

まさかのキス 

ヒロインはばあちゃん
{/netabare}
第4話 Data_04_Disappearance
{netabare}
完璧な幸福
{/netabare}
第5話 Data_05_Error
{netabare}
主人公の秘密はいかなるものか?

暴力がやめてください ⇒ おっ、おう。
{/netabare}
第6話 Data_06_Revelation
{netabare}
ボスが中盤くらいで明らかになる展開はすき

ばあちゃんはいいおんな

軽く伏線があった [スクラップ] 地味に丁寧な作り 
{/netabare}
第7話 Data_07_Distance
{netabare}
俺の未完の最高傑作

精神世界に土足で踏み込む
{/netabare}
第8話 Data_08_Reply
{netabare}
時給の良いバイトでもやってんのか?

たこやき、クレープ、揚げドーナッツ

血が綺麗に落ちている

もうがんばらなくていい?
      ⇒ はい
        いいえ

認めろよ、おれのことを(迫真)
{/netabare}
第9話 Data_09_Echt
{netabare}
クリアの素顔 突然歌うよ 子守歌

クラゲも眠ると、夢を見るんでしょうか?
{/netabare}
第10話 Data_10_Faith
{netabare}
一人で抱え込むなよ

だめだなぁ 想像力は大切だ

こんなところに居やがったのか!! ⇒ なんだこいつ!? ⇒ ぞろぞろ

もうひとりのぼく
{/netabare}
第11話 Data_11_Fixer
{netabare}
僕はもう限界なんだ

双子の兄さんだよ?

毎回これくらい動けばよかったのに
{/netabare}
第12話 Data_12_Dawn
{netabare}
ここまできて個別回か
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 1

夜。 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ばーちゃん以外の女性キャラは面白い程出てこないw。

乙女向けBL系アダルトゲーム原作
脳内クラッシャーアドベンチャーアニメ。

未来の日本列島の南西に位置する碧島(どりじま)は
東江財閥有する富裕層「プラチナ・ジェイル」と
強引な開発の犠牲となった碧島原住民の街「旧住民区」に二分されている

旧住民区の若者たちの間では
肉弾戦での縄張り争いを繰り広げる「リブスティーズ」と
仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」が流行していた

主人公・蒼葉(あおば)その旧住民区にあるジャンクショップ「平凡」での
アルバイトに日々を費やし祖母のタエと二人で暮らしていた
しかし…そんな蒼葉の平穏な日々を揺るがす様々な異変は
確実に起こりはじめる。

*ゲームは未ロードな為…
 本編ストーリーを理解しておらずアニメを観ただけの感想。

暴露(スクラップ)という特殊能力を持つ主人公・蒼葉(あおば)は
自らの能力に関する謎と東江の思惑に立ち向かいながら
友人達や自分自身のトラウマ等を一緒に解決していく


BL的描写は無く普通のアニメとして見ることができる

仮想空間内での描写は音楽も描写も綺麗
登場人物達は乙女達のキャラ萌えを刺激するイケメン達ばかりで
ばーちゃん以外の女性キャラは面白い程出てこないw

元々はBLゲームである話の
SFちっくな精神世界を描く部分だけを用いて
何とか"TV向け"アニメに仕上げ
物語として見せたかったであろう事は理解できるものの
その内容が終盤になるにつれて凄くグダグダになっていく

話の設定自体はそこそこ充実していたので
もっと話をちゃんと作り込んでからアニメとして見せてほしかった

うーむ…残念としか言いようがなかった。


【memo】

《SLIP ON THE PUMPS》
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23961591

作詞:GOATBED
作曲:GOATBED

In the empty space
I go with the flow

高揚 知って射る前提の触れる目に放つような光彩
そうやって藻掻いた挙げ句 秒針で先送る SLIP ON…

Swing The Heartache
From the inside

牽制しあうこの間合いで頷いた
Climax=? Intercourse
順応的合成 万端に秒刻み
Cry heart=# Forever

Fantastic Sentence
Wonderful waiting
Stare into the void
Drifting Drowning Drone

君吸う空想譚 目眩く淡い憂いと走らせ
罪打つ雨に噎せ返る無意 魅入る手合いは 心なく愛しい痛みの最中

再三 賭した心情の闇まるで不確かな往来
どうやっても此処でまた果たし合う沸き起こる SLIP ON…

PULSE-RAIN-IMAGE-COLOR

Runabout run Clap your head
延々問う色付く胸は言うまでもなく

Bound round run Slap my hand
漫然たる夢にあぶれて形骸化した純情という可憐

Actual feel so fool
Peel a boy so good

投稿 : 2024/09/07
♥ : 6

66.1 8 ミステリーで戦闘なアニメランキング8位
神之塔 -Tower of God-(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (214)
620人が棚に入れました
塔を登れば、全てが手に入る。塔の頂上にはこの世のすべてがあり、この世界を手に入れる……神になれる。これは、ただ星空を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、始まりと終わりの物語。

声優・キャラクター
市川太一、早見沙織、岡本信彦、三宅健太、本多真梨子、興津和幸、関根明良、江口拓也、深町寿成、末柄里恵、津田健次郎、吉野裕行、小野大輔、伊藤静、大塚芳忠
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

観終わった

2話までの感想{netabare}
ん?中華かな?と思ったら韓国だった模様。
なるほど…やっぱどっちも似た様な感じになるのかな?
内容としてはハンターハンター…ってよりも“霊剣山”の1作目を思い出した。
塔の頂に登る=仙人を目指す、と解釈するとすげーシックリ来る、韓国にも羽化登仙って思想はあるのかね?
作中の文言通り「神を目指して塔に登る」と解釈するとどうしても「神になるためにその試練って必要?」と引っかかりを覚えてしまうが、これが「仙人」だったらあら不思議、どんなに不合理でも納得(諦めがつく)できちゃう、私は。
2話の選別なんていい例かな、神の水で作られた壁を抜けれるかどうかの件だけど、「参加者間でどうこうするのではなく試験官の手による選別なら最初の400人を選ぶ前に実施すればいいじゃん(※)」と突っ込まずにはいられない。
要は無駄に死者を出してただけで、これで主催者が人口調整で殺し合いさせてるとかウラがあるならまだしも、無いのなら「仙人選抜なら仕方ない」と思って納得する(諦める)しかない。

まぁなんて言うんだ、キャラの目的が不明瞭で「なんでそれやってんの?それ必要ある?」と思っても「仙人を目指すためだよ」と言われたら納得できちゃう強力なカードとでも言いましょうか…。
ただ、カードの強さにかまけて細部がおざなりなのは…ま、まぁそこは外国の感性ってことでしょう。
で、主人公はそんなことより行方不明になった恩人?の消息を追うのが目的ってことらしくて…あ、顔が良ければ優遇してもらえるってのは韓国らしいのかなw

それとタイトルが「神之塔」「-Tower of God-」となってるのは「神之塔」の部分がハングルまたは各国の言語に置き換わっても「-Tower of God-」はそのままで、知らん言語バージョンを目にしても何の作品かすぐ分かるようにしてるんだと思う。



一応、3人でチームを組んで一人でも壁を通れなかったら失格だったので、誰と組めるかの運を試したのかも知れない。
とはいえ、だったらもうちょっと見せ方あったんじゃない?とは思う、通れないチームメイトを叱責するヤツとかさ。{/netabare}

3話感想{netabare}
5分の間に扉を開くのがどうとか。
まだその“法則”が明確になってない状態、つまりは早い段階で試験に挑んだチームほど不利という馬鹿馬鹿しい内容。
でありながら、次の試験でその件は全く関係無く我先にと飛び込んでいって…せめてそれぞれ関連付けくらいさせようよ。
でもって試験官はやっぱり人を殺したくて仕方が無いっぽい。
宇宙船が舞台で人口調整でもしてんのかね?


絵に関しては実際の現場は知らないし3話までの限りではちゃんとした人が描いてると思うのだけど──
主線が汚いのはdpiの低いクッソヘボい機材──スキャナーだか編集ソフトだか──がクッソ汚い紙を取り込んで汚れ飛ばしでコントラストを上げ過ぎるとああなる気がする。
ああなるっていうか、そういう状況を想定して予めそれに合わせたというか。
色数が少ないのはナルトにしろブラッククローバーにしろアクションの激しい回はあんな感じで、激しいアクションじゃないのにこれってどうなん?って気がしないでもないけど、やっぱクッソヘボい現場を想定してワザとレベルを落としてる感じがする。

作り手の技術レベルが低いんじゃなくて現場の機材レベルが低いって感じ、あくまで3話まで見た限りね。{/netabare}

総評{netabare}
最初の頃抱いた予想「どうせそのうち作画が崩れるんでしょ?」、これが見事に外れて最後まで作画がシッカリしてました。
「作画が崩れても目立たない作画」を意識してのデザインだったと思うのだけど、アクションも最後までしっかりしててどういうこっちゃ?
“はてなイリュージョン”と何が違ったんだろう。
1話見て作画が気にならないのなら最後まで見ても問題ないと思います、一貫して安定したレベル。

とはいえ作画ではなく内容の方といえば…。
まず「塔に登る」ってのは「仙人になる」ことと似たようなモンか?と思えるかどうかで見続けられるかどうかが別れそう。
これは韓国作品らしいけど、中華アニメだと多いんだ、「とにかく仙人になるんだ」が目標で「それになって何するの?」は特に無いやつ。
仏門だったら悟りを開いたら無余涅槃にでもなって六道救済するとかあるけど、仙道って肉体に固執したり利己的だったりと目的がバラバラで、従って漠然。
利己的であっても構わないのでそれに至るための手段が「いやそれ人道に背くだろ」ということをやっても構わない、果たしてその手段が目的のために適してるのかどうか私には判断できない(作者の気分次第)。
物語の目的を設定するには便利ではあるけど、ついていけるかどうかは人を選ぶんじゃないかな。

ってことで私は「塔に登る」ことについてはそこまで違和感は覚えなかったのだけど、問題はその後。
それぞれのキャラが何ができて何ができないのか分からず、更にこの作品でしか通用しないよく分からないルールの競技をして、よく分からない駆け引きをする。
そうねぇ、野球で例えると──ストレート160キロが速いのかどうか分からない、打率4割が凄いかどうか分からない、アウト幾つ取ればいいか分からなければイニング数が幾つあるかも分からない。
そんな状態だと多分野球見てもつまらないんじゃないかな?せいぜい派手なホームランがなんとなく凄いって分かる程度で。
なによりなにが反則になるのかすら分からないので、ルールの隙を突いて裏をかくようなことをしても「あ、それやっていいんだ、ふーん」としか思わない。
「カバンの中に3人仕込んでおいたのさ」と言われてもふーんとしか思わない。
まず一体どんなルールなんだ?と興味を引くほどでもないってのが致命的かな、釣り師槍使い燈台守捜索者波使いと言われても「え、それ覚えなきゃいけないの?ヤダよ」って気持ちが先に出た。
ポイントで合格が確定って、知らんがな。
アナクの際どいシーンだけが目当て(スパッツ履いてるけど)で「もう試合結果だけ分かればいいよ」という感情しか沸かない。

それぞれの思惑というのも正直どうでもいい。
これまた中華で多い「○○家」「○○門」、こっちでも十家門なるものが飛び出してうわあぁって感じ、10個全部出す気か?
(中華アニメ“悪偶”では裁縫師協会の12の流派全てから許可を得るんだ、を掲げて最終回終わらせたっけなぁ)
お家関係はザハードの姫絡みだけもお腹一杯なのに…。
韓国でもお家柄は絶対だったりするんかね?私は詳しくないんで中華作品の延長として捉えてるんだけど。

それと強キャラの表現。
“ブラッククローバー”のライアなんかがそうだったけど、作中ひたすらあくびをするアレ。
あるいは「あらあらうふふ」を口癖とするニコ目のお姉さんキャラ、本気で怒らせたらヤベーぞと匂わすアレ。
日本の作品でもよくあるっちゃあるけど個人的にはあんま好きじゃない、余裕と余裕ぶるは違うんじゃねーの?と。
で、そんなのを極限まで煮詰めたようなラウレというキャラ、なんなんだかなぁ。
先のブラクロではライアはスタッフには都合が良かった、あくびさせてりゃ尺稼ぎできるから、けど視聴者からはウザいだけで…スゲー実力を隠して無気力を演じるってそんなにカッコ良いかね?

でもってその対極(熱血系強キャラ)といえるランカーのクォント、ウザいワニですら極端だと思ったらそれ以上に極端なのが出てうわぁ。
しかも謎なのが9話、ホーがラヘルを人質に取り夜に脅迫するシーン、クォントは神の水の使い方を見せてその場を去るのだけど、夜がそれをやったら驚いて戻ってくる。
…?
なにがしたかったん?予想外のことが起きたので引き返してきたんであって、じゃあ当初はどんな予想をしてその場を去ったん?
結局ラヘルは刺されホーは自殺するんだけど、これってその場を離れたクォントの責任じゃねーの?と思うのだけどその後そういった咎を背負う素振りも無い。
結局ルールがワカランので「そうですか」と納得するしかないのだけど、釈然とはしない。

と苦言を言えばキリが無いのだけど最終回は結構好きだったり。
人によっては真逆の評価らしく、それも分かるw
私は主人公の夜を好意的には見ておらず、そのせいで最後裏切られて「ザマァw」と思ってしまいまして…。
ラヘルに散々ついてくるなと言われたのにそれでもついてきたのだから、あんな目に遭うのも覚悟の上でしょ?と。
また、最近見たアニメであったような…くそう思い出せん、「光が強ければ影も濃くなる」ってヤツ、そんな感じだったんだろうと解釈。
夜が輝かしい(夜って名前だけど)からこそラヘルは闇墜ちしたんだろう、と…これに関しては他の作品の影響(補完)に過ぎないと言われたらその通りだけど。


総合すると、作者の考えたその作品だけにしか通用しないワケ分からんルールの競技なんかサッサと終わらせて塔の謎に迫ってくれれば良かったのに、って感じ。
塔だの神だの管理人だの試験官だの選別者だの救世主だのサハードの姫だの神の水だの十三月シリーズだの十下門のクンだの釣り師だの槍使いだの燈台守だの捜索者だの波使いだの…どれか絞れよと。
ここら辺のよくわからんワード連発はいかにも中華(中華じゃないけど)らしいっちゃあらしいんだけど、謎に謎を重ねる・謎を別の謎で解説するようなのはキツい。
というか本当に中華だったら春秋時代からの歴史や陰陽、仙道なんかの実在する資料に基づく(どこまで正確かは知らないが)設定の羅列が多いけど、これはどうなんだろう?
頭悪いヤツが複雑な話を考えられず、造語連発して誤魔化してるような…。
もし続きをやるならもうちょっと整理してくれないと参る。
ってかワニうざい、ラウレはデゾリアンと一緒に始末しよう、ってかそれだったら“一人之下”のホウホウの正体の方が気になるのでそっちやってくれ。
まぁ塔の謎も仙人(管理人)の戯れで片付けられそうだけど。
作画は崩れないのでアナクのスパチラを追うだけでいいんじゃねーの?{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 10
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「旅立ちの物語」から「反逆の物語」へ

2020年春アニメ。全13話。
原作は、10年以上連載を続けている韓国のWEB漫画。日本の制作会社がアニメ化しています。先日無料公開されていたので第2部ラスト(180話ほど)まで読了。
設定・世界観は不明な点が多いものの、人間ドラマの一貫性や全体的なクオリティが良かったです。

{netabare}
作画が非常に好みでした。
シンプルなキャラクターデザインと彩色はとても見やすく、動画の印象も私の肌に合っていました。
キャラクターの演技とバトルの両方に拘っていたと思います。
背景見ていると、壁の模様とかテクスチャ張り込んだりはあまりしていませんでしたね。なるほど、シンプルで見やすくなっています。

キャラクターも変に媚びていないのが良かった。
特に女性キャラクターの品の良さ、言葉遣いはキツイけど芯があってそれも味になっています。チーム内の人数が多くて名前が覚えられない(笑)のですが、キャラクター自体は立っていたので混同したりはしなかったです。
声優さん達も、皆さん演技がとても良かったですし、新人・中堅・ベテランとバランス良く配役されており、ちょっとしたアドリブも聞けたりして好きでした。
音楽もとても良かった。OP、EDも好きですが特にBGMが素晴らしく、音楽の掛け方も雰囲気を壊さなくてとても良かったです。{/netabare}

【総評】
{netabare}作品テーマとキャラクター描写の一貫性が良いですね。
主人公・夜のラヘルへの思慕故の旅立ちというイントロダクションに始まり、塔への反逆の物語のイントロダクションに終わる構成がお見事。
淡々と並べられた言葉と描写が最終話までに繋がっていくのが楽しかったです。
物語がシンプルに進行するので人間ドラマがスムーズに展開しており、じわじわ良い所が見えてくる作品。

アニメは原作の第1部ラストまで。
原作を第2部まで読んだのですが、アニメは人間関係の構築を補足して上手に描いています。
夜とラヘルの内面もだいぶ印象が違うし(特にラヘルは是非原作を読んで違いを知ってほしい)、どちらも好きだけどアニメの解釈やシーンのカット・追加には一貫性がありました。

クンが第1話で発言した「お前も塔のルールに縛られる側なんだな」というのが全てに通底するのですね。

最初の試験で顕著ですが、殺し合いしていた相手とすぐにチームを組むことは心理的に難しい。それでもそれが出来るのは精神・能力が強靭な実力者や、塔のルールを絶対視していない者。

実力も無くルールに縛られる者は、塔にとって扱いやすい取るに足らない存在。塔に上る中でルールに縛られ、人間らしさを失っていく者がほとんどなのでしょう。

塔に登るために人間性が失われていくラヘル。
ラヘルは塔にとって取るに足らない者であって、あくまでも夜を釣るための餌に過ぎない。
夜を裏切って、本気で笑うことも泣くことも出来なくなります。

一方で、塔に登ることが新しい世界を知ることであり、人間らしさを獲得していく夜。
塔にとって無視できない存在であり、塔に上り始めてから笑うことが多くなり、裏切られて初めて激情の断片を露わにします。

ルールに従順なラヘルへの激情は、すなわち塔そのものへの反逆です。
ラヘルの内面を第13話で描いたことで、二人の対称性が浮かび上がる構成は秀逸でした。

第1話、蝶ウナギの試練のシーンでは、横からのカメラワークが何度かあり、奥行きのない不思議なシーンでなんだろうな?と思ったんですけど。それが実はラヘルの視点であることに、再視聴で気が付きました。
ラヘルに早見沙織さんを起用したこと、13話でとても納得しました。
{/netabare}
独特な雰囲気があり面白いので、興味があれば見てみても良いと思います。


【設定に関する個人的な予想というか妄言というか】
支離滅裂なので暇つぶし程度にどうぞ。
{netabare}
「塔」と言うけれど、公式サイトで見ると建造物というより広大な一つの世界の呼称(空間概念)であるとされています。「塔を上る」とは自身を鍛え上げていくこととも解釈できそうかな?
塔を上るとどんな願いも叶うと言われているのは、もしかしたら後から付加されたものなのかも。
「ザハード王」は塔に文明がない時代に現時点でわかっている最上階まで踏破し、現在の塔の社会を築き、試験方式等を決定した者とあります。
そして塔の試験は塔に仇なす者をあぶりだすためにある、とユハンは言っている。
だから、本来ルールに抵触する行為をしてもバレない限り気づいていても指摘しないし、塔に致命的な行為だと思えばさっさと処理してしまうのかも。
塔の世界は明らかにデストピアですよね。
個人的には2期が見たいなあ…{/netabare}
(2022.1.30)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

いのちを懸けて登れ。

久々にハオライナーズ枠の作品到来かと思いきや、韓国発の作品だったみたいですね。
国は違えど、作風は似ていると思いますけれど…。


「神之塔」とは、2019年から韓国のNAVER WEBTOONにて連載を開始し、
2018年からLINEマンガを通じて日本でも連載している冒険ファンタジー作品。
現在までに28ヶ国語に翻訳され、全世界累計閲覧数が45億回を突破。

少年「夜」は大切な女の子「ラヘル」を探すために伝説の塔に入り込み、
新たな仲間とライバルと出会い、階層ごとにある過酷な「試験」をクリアしながら、
塔の頂点を目指して行く。
少年の成長ストーリーと、その裏に隠された塔と少年の秘密は読者を魅了し続けています。

2020年春、NAVER WEBTOON初のTVアニメシリーズ「神之塔 -Tower of GOD-」として、
ついにアニメ化決定!
日本、韓国、アメリカで同時展開予定。


塔を登れば、全てが手に入る。

塔の頂上にはこの世のすべてがあり、

この世界を手に入れる……神になれる。

これは、ただ星空を見たくて塔を登る少女・ラヘルと、
そんな彼女がいれば何もいらない少年・夜の、

始まりと終わりの物語。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

そういえば、中国の作品と似ている点といえば全世界累計閲覧数を前面に押し出している点でしょうか。
28ヶ国語に翻訳されて配信されているので、数が伸びるのはある意味当たり前だと思うんです。
勿論、アニメ化される決め打ちの一つとなったでしょうから意味が無いとは思いませんが、だからといってアニメが面白いとは限らないのがこの世界の常套なんですよね。

日本の作品でも原作の魅力や良さを表現しきれなかったアニメはゼロじゃないので…
だから最初は視聴するか悩みましたが、第1話目ではやみんが出演しているのを知り、視聴継続を決めました。
後から関根明良さんも出演されていると知ったのはうれしい誤算でしたけれど。

普段私の使っているアニメサイトに、この作品自体が掲載されていなかったので完全にノーマークな作品でした。
なのでググってみたらアニメーション制作はテレコム・アニメーションフィルムという日本のアニメ制作会社だったみたいです。
興味を持ったのは音楽担当に、ケビン・ペンキンさんというオーストラリアの作曲家が起用されていた点です。
こういう組み合わせも中々珍しいのではないでしょうか。

完走しました。
アニメーションとしてみたら及第点だったと思います。戦闘シーンもそれなりに動いていましたし…
難があるとするなら、展開とキャラでしょうか。
まず展開については、塔の中という極めて限定された場所で起きている試験であるにも関わらずスケール感が合わないので、まずそこが気になりました。

途中、砂漠の様な場所が出てきましたが、地平線が見えそうなほど広い空間が広がっていましたけれど、それって、本当に塔と言えるのでしょうか^^;?
何より一番気になったのは塔を登っている感覚が得られなかったといことです。
例えばSAOのアインクラッドだったら階層ごとに景色や発生するイベントなどが異なっていて、重層構造感は感じられましたけれど、本作品ではあまりそういう感覚は無かったかな。

あとはキャラ…でしょうか。
気になったのはデザインより、寧ろ魅力の方かもしれません。
ザ・ハードの姫の人間臭さと、徹底的な対抗心は嫌いじゃありませんでした。
終盤の掛け合いも悪くありませんでしたし…
ですが、どうにも魅力の感じられないキャラが居たのも事実です。

一番魅力が感じられなかったのは、個人的に主人公だったかな…
塔を登りたいという気持ちは分かりますが、行動が伴っているとは思えなかったんですよね。
すごくフワッとしていて地に足が付いていない感じが気持ちをより助長させたのかもしれません。

原作既読組はもっとたくさんの情報を持っているので印象は違うと思います。
ラヘルの終盤の行動だってアニメ組からすると完全に意味不明でしたから…
この印象の差がきっとアニメ化の難しさなんでしょうね。

オープニングテーマは、「TOP」
エンディングテーマは、「SLUMP」
どちらもStray kidsという韓国のボーイズグループが歌っています。
日本、韓国、アメリカでは、それぞれの放送地域に対応した言語版の楽曲が使われるそうです。

1クール全13話の物語でした。
「俺たちの旅はこれからだー」的な感じで終わりましたが、ここで終わっても仕方無いのかもしれません。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 15

69.8 9 ミステリーで戦闘なアニメランキング9位
風都探偵(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (71)
221人が棚に入れました
【最速配信】2022年8月1日(月)~※U-NEXT独占配信
翔太郎とフィリップにより風都は守られたはずだった。 しかし街の裏側では未だ怪現象が多発している。 そんな二人の前に姿を現した 謎の美女・ときめ。 そして新たなる邪悪な影。 今、仮面ライダーWの新たな戦いが幕を開ける。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

仮面ライダーWの続編

{netabare}
仮面ライダーWの続編?
特撮に興味はないので、仮面ライダーWは未視聴だけど、特に問題なさそうだったので完走。アニメから入った勢としての評価。

基本的に話はミステリーモノの構成。
結論から書くと、毎回の話の着地点自体は気になるけど、ミステリーとしての出来はあまり高くなかった。
なんというか毎回、変なオチに強引に、不自然に持って行ってる感があって、面白さよりも、予想外の展開を作りたいという意思が先行して伝わってきてしまった。ミスリードも露骨だし。
最初の話の全員悪人オチはえぇ...ってなった。
旅館の話もミステリーとしてやるなら、ドーパントの設定や焼き印、メモリ周りの設定のことを最初から明示してくれてないと。
ミステリー感出してる割に伏線と言うものが余りなくて適当だった感が否めない。ウミガメのスープですかってレベルで変な設定が後付けされる...。

ただ、先の展開が読めない点で面白かったのは確か。
サスペンスものとして見れば常に場に緊張感があって良かったと思う。
面白かったのは翔太郎とフィリップの魅力も大きい。
さすが特撮アニメというべきか、男の自分が見ても2人の主人公がかっこよかった。
人情的な翔太郎が主に行動を起こして情報等をかき集め、知性的なフィリップがそれを分析...お互い長所を活かして協力しながら謎を解き明かしていくのがバディモノとして良かった。
特撮モノの基本ではあるけど、誰かのピンチに駆けつけて変身して戦う主人公達は素直にかっこよかった。
基本単独行動で的確な援護に入ってくれる照井さんもかっこいい。
良くも悪くもキャラアニメと言う感じでした。

戦闘シーン(と言うよりアクションシーンか)も文句なし。
特撮を良く知らないけど、裏風都でのアクションシーン(バイクアクション)はアニメだからこその強みを活かせていたと思うし、特撮ではなくアニメでやった意味があったと思う。

最後おれたたエンドだったけど、続編ありそうな気もするので期待。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆9
仮面ライダー見たことないけどw ナルシストかな?
こういう探偵系好きだわ。チェイスシーンかっこよすぎでしょ。
このデブ自分にワンチャンあると思ってんのかなw
運動能力凄い。EDいいな。

2話 ☆8
都合のいい検索システム。他にも殺されてる人いるのか。
変身シーンみせて。惚れてんのかw ミスリード臭い。こいつ誰だよ。

3話 ☆8
曲いいな。アクションシーンが良すぎる。街が…。
ちょっとミスリード狙いすぎてる感があるかなぁ…。
けど、結局こいつも追い剥ぎやってるんだよな? 全員犯罪者で草。

4話 ☆8
ゲーム壊される? リアイベ的なのもあるのか。曲いいな。
てかこいつらの動機なんだよ。意味深。やっぱ一話完結の方がいいな。
突然の死。

5話 ☆7
マーダー(直球) ゲーマーじゃなくてチーターじゃんそれ
誰だこいつ。正直ミステリーとしての完成度は低い…。
あの高さでよく生きられたな水とはいえ。

6話 ☆5
全ゲーマーへの煽り。やっぱり1話がピーク感あるなぁこのアニメ。
同じ話グダグダ引き伸ばしすぎなのかな。
1話完結の方が良かった感がある。

7話 ☆7
妖怪とは。好きな女選びたいと?
キノコの正体分かったら興味失せたというのは女に仮面させてる理由にもかかってる? 犠牲者多いな。

8話 ☆7
円盤では湯気が。
伏線ないから見せ方の割にミステリーにはなってないな。
普通に犯人1人にして欲しいわ。なんで逆張りしようとするの?
まあ先は気になるけどさ。こんな奴いたっけ?

9話 ☆5
いや、誰だよ。また逆張りオチ…。おばさんさよなら。
逆張りオチに無理やり合わせようとしているせいで細かい部分にすごく強引さを感じる。
女の集め方、謎に起こる殺し合い、そして寝かしつけての焼印…。
ドーパントの設定もこのオチ(殺し合い)のために作っただろって言いたくなる。それだけかよこいつw

10話 ☆7
一般人に用途バレする無能。よくこれで家壊れないな。
ジジイクソ有能じゃん。ホモくさい。
戦闘と話の導入回は面白いんだけどな。

11話 ☆8
あっちに戻れないじゃん。情報手に入れたとして向こうに行けるの?
神頼みかよw おじさんよく耐えてるな。トキメかっこいい。

12話 ☆7
殺されないんだな。確かに原子炉という大層なものの割には使用法がしょぼいw 裏風都の環境気にしなくともw
足で蹴りまくる攻撃ダサい。自分よりも裏風都に着くす組員の鑑。
ガイアメモリってフィリップの父が開発したんか。
トキメってこんなキャラだったんか。
これ2期ありそうな気がしなくもない。
これは仮面ライダーWでやった話なの?
まあキャラアニメだったなこれ、悪くはなかった。

曲評価(好み)
OP「Private Eye」☆6
ED「罪と罰とアングラ」☆8
3話挿入曲「W-G-X ~W Goes Next~」☆9
4話挿入曲「Let's go ahead」☆8.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 2

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

あきちゃん:「仮面ライダーWの続編って、なに!? わたし、聞いてない!」

第5話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

そもそも特撮ヒーロー物『仮面ライダーW(ダブル)』(2009年)の続編が『風都探偵』というタイトルで漫画作品として描かれていて、私は原作漫画は未読なんですが、本作はその漫画からのアニメ化なんだそうです。

じゃあ『仮面ライダーW』(以下、「本編」)を知らないと楽しめないのかというと、そんなことはなくて普通に相棒(バディ)物、変身アクション物としてそれなりに楽しめるんじゃないかとは思います。知らんけど。

10年以上前の作品のリブートとしてはエピソードは古臭くは感じませんし、作中のガジェット(小物)も今でも通用する感じです。またフィリップの能力は地球に関する森羅万象についての検索という当時としては先進的な物です。本編の先見性のなせる業なのかもしれませんね。

ただ変身してからの「おまえの罪を数えろ!」や鳴海亜樹子の「あたし、聞いてない!」などの名セリフは本作においても健在です。

翔太郎とフィリップは、『風都探偵』でも仮面ライダーとして風都をガイアメモリによる犯罪から守るために戦います…。


原作漫画が本編の続編という成り立ちであるため、キャラクターデザインは本編に出演していた役者さんたちの顔に寄せたものになっています。

アニメ化にあたってさすがに「本人出演」というわけにはいかなかったわけですが、わりと本編のイメージを崩さないキャスティングが意識されているようで、声を聞いていていてわりと違和感はありません。素晴らしいですね。

1つのエピソードが何話かに別れている時にコルクボード的な背景で人物相関図が示され「前回の仮面ライダーW」で始まる形式が踏襲されていたり、楽曲面でも本編が意識されたものになっています。


本編は主人公の左翔太郎(ひだり しょうたろう)が鳴海探偵事務所に所属する私立探偵、そしてその相棒のフィリップ(園咲来人(そのざき らいと))が二人で一人の仮面ライダーに変身するヒーロー特撮でした。

本編放送当時にUSBメモリが普及しだしたという時代背景のせいか、ライダーや敵の怪人(ドーパント)の変身に使用される「ガイアメモリ」は、形がUSBメモリに類似しています。

本編にはいなかった新キャラ「ときめ」は何者なのか、そしてどんな新しいストーリーが紡がれるのか…。

余談: 第4話に出てきた「風祭メグ」の名を聞いて「時祭イヴ」の名前を連想した人はけっこういるかもしれない…。

2022.10.31追記:
最終話まで観終わりましたが更新が遅れていました。「3話毎に1つの事件」という構成を維持して4つの事件が扱われましたね。

あと、毎話ストーリー本編の後にミニアニメがありました。どれもネタに走った内容でしたが、元ネタがわかるとけっこうジワる感じで私は嫌いじゃなかったですよ。

原作が続いているということもあるので「ラスボス倒して万事解決」とはならないのですが、それなりに良い区切りで終わって楽しめました。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 13

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

特撮がアニメに!!!派手なライダーアクション!!

 平成の仮面ライダーの中でも特に人気があった電王やオーズなどは、TVシリーズが最終的に主人公が続きのエピソードを綴れない終わり方になっているので、物語終了後も二人が風都に残ったWならではという続編。もともと2話完結型で探偵ドラマ仕立てで物語を組んでいたので、アニメになっても見やすさは変わらず起承転結があって、最後には仮面ライダーとしてかっこいいアクションがあるのが嬉しいですね。勿論続編かつスピンオフでもあるので仮面ライダー本編を見ておいたほうが面白いのですが、ちゃんとキャラをそのまま活かした物語になっていて、そしてアニメならではという物語や舞台設定になっていたところが面白かったです。
 そして新キャラでありヒロインとなるときめちゃん。亜樹子は子供ながらに結構好きなキャラだったのですが、この新キャラがナイスバディで左ともラブコメ展開になったりしたのがこの作品の色って感じでいいですね。風都探偵から参戦したキャラなので視聴者にちゃんと初見のリアクションを取ってくれるのも貴重。ちょっとエッチでハードになる要素も含めて当時子供だった視聴者がちゃんと深夜アニメとして楽しめる良いアニメでした。良作。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 0
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